三木市役所

三木市役所の歴史と変遷

三木市役所は、兵庫県三木市の行政を担う重要な施設です。その歴史は、幾度かの庁舎建設・改築を経て現在に至っています。本稿では、現庁舎、旧庁舎、そして旧吉川支所の歴史と特徴を詳細に解説します。

1. 現庁舎：三木城を模したランドマーク

現在の三木市役所庁舎は、市内で最も高いビルディングとして知られています。バブル景気時代に建設が計画され、三木城をモデルとした独特の外観が特徴です。昭和建設によって建設され、1993年7月1日に完成。その特異なデザインから、完成後は他府県からの視察が相次ぎました。内部には、市民サービスに関する様々な部署が配置され、市民生活を支える中核施設として機能しています。庁舎建設の背景には、それまでの執務スペースの狭隘化と、市行政の効率化の必要性がありました。1993年の完成以降、国保介護課、国体準備室、県事業プロジェクト推進室、子育て支援室などの新設が行われ、行政サービスの充実を図ってきました。2008年には、障害者作業所「ワークルーム虹」も開設され、地域社会への貢献にも力を入れています。

2. 旧庁舎：市制施行後の発展を支えた拠点

三木市制施行後、4箇所に分散していた市役所を統合し、行政業務の効率化を図るため、旧庁舎の建設が計画されました。1958年10月に庁舎建設特別委員会が設置され、建設場所が決定。大宮工業と明和工務店が建設を担当し、1959年5月6日に着工。当初の予定よりも遅れ、同年12月8日に完成しました。完成と同時に市制5周年の祝典が挙行され、新たな出発を祝いました。その後、1970年には増築工事が行われ、1978年にはコンピューターが導入されるなど、時代の変化に対応した改修が施されました。1993年7月9日に現庁舎への移転に伴い、業務を終了し解体されました。

3. 旧吉川支所：町の発展と市との統合を象徴する施設

旧吉川支所は、吉川町の町役場として、そして三木市への編入後は支所として機能しました。初代庁舎はガラス張りの近代的なデザインで、竣工当時は話題を呼びました。1959年12月10日に完成し、吉川町の行政の中心地として発展に貢献しました。2005年10月24日、三木市との合併により、吉川町役場から三木市役所吉川支所となりました。しかし、老朽化のため2008年9月に解体されました。

2009年11月29日には、図書館との複合施設として2代目の吉川支所が完成し、新たな行政サービスの提供を開始。しかし、2021年12月、吉川健康福祉センターへの統合により業務を終了。2022年4月2日からは、学習・交流スペースとして生まれ変わりました。

4. 参考文献

『「広報みき」縮刷版①』（初版第1刷）三木市総務課、1975年4月20日
株式会社 神戸新聞事業社 編『山田錦のさと よかわ物語 吉川町制50周年記念誌』（第一冊発行）吉川町 企画調整課、2005年1月1日

5. まとめ

三木市役所の歴史をたどると、市域の拡大と行政サービスの充実、そして時代の変化への対応が見て取れます。各庁舎は、それぞれの時代に沿った役割を担い、三木市の発展に貢献してきたと言えるでしょう。現在も進化を続ける三木市役所は、市民生活の基盤として、更なる発展を目指しています。

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