三本杭

三本杭（さんぼんぐい）

三本杭は、四国山地西部に位置する山で、その標高は1225.7mです。国土地理院の分類では石鎚山と同じ四国山地西部とされていますが、実際には石鎚山からは離れた四国南西部に位置しています。滑床渓谷のすぐ南側にそびえ立ち、滑床山（なめとこやま）とも呼ばれており、日本三百名山の一つにも数えられています。

名称の由来

三本杭という名称は、江戸時代にこの山の山頂付近に宇和島藩、伊予吉田藩、そして土佐藩の境界を示す杭が立てられていたことに由来するとされています。この杭が三本あったことが、山の名前の由来となっています。

自然環境

三本杭およびその周辺の滑床渓谷は、足摺宇和海国立公園の一部に指定されています。山体は愛媛県と高知県の県境にまたがっていますが、山頂部は愛媛県宇和島市に属しています。山頂には一等三角点「滑床山」が設置されており、標高は1225.72mです。

山頂からは、北側に高月山、その東側には石鎚連峰、南側には篠山、西側には鬼ヶ城山、そして宇和海を望むことができます。山肌はブナの天然林に覆われており、稜線沿いにはアケボノツツジ、シャクナゲ、ヤマツツジなどが見られ、四季折々の美しい自然を楽しむことができます。

登山ルート

三本杭への登山ルートは主に二つあります。

1. 滑床渓谷からのルート: 滑床渓谷の万年橋から渓谷沿いの遊歩道を登り始めます。雪輪ノ滝、千畳敷を越えて奥千畳から二ノ俣の沢沿いを歩き、高度を上げて稜線に出ると山頂に到着します。このルートは、渓谷の美しい景観を楽しみながら登山できるのが特徴です。
2. 黒尊スーパー林道からのルート: 黒尊スーパー林道の八面山登山口近くの路肩に駐車し、鉄の階段を登ります。猪のコル、大久保山、八面山、熊のコルを通過し、約1時間40分で山頂に到着します。このルートは比較的短時間で山頂に到達できるため、体力に自信のない方にもおすすめです。

三本杭は、その美しい自然と歴史的な背景から、多くの登山者や観光客に親しまれています。四季折々の風景を楽しむことができるため、訪れるたびに新たな発見があるでしょう。

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