三村親澄

三村親澄（みむら ちかずみ）は、江戸時代に生きた武士であり、備後福山藩において大寄合として1000石を領していました。彼の家系は、戦国時代の武将である三村親成を祖とし、（親成→親良→親安→親澄）と続いています。

親澄の特筆すべき点は、水野家が5代で断絶した後、水野家との間に結ばれていた節義を重んじた行動です。通常であれば、新たな仕官先を探す武士が多い中、彼は他家に仕えることなく、備中勇崎村へと身を隠しました。この行動は、彼が武士道における忠義を非常に大切にしていたことを示しています。

彼の生き方は、子孫に大きな影響を与え、「武士は二君に見（まみ）えず」という遺訓として語り継がれています。これは、一度仕えた主君には忠誠を尽くし、二人の主君に仕えることはない、という武士道の精神を表したものです。

三村親澄の墓は、現在の広島県福山市北吉津町に位置する曹洞宗慈雲山龍興寺にあります。この寺は、彼の功績を偲び、その精神を後世に伝える場所となっています。

親澄には、平内、藤七、孫太夫という三人の息子がいました。そのうち、平内は広島藩の浅野氏に、孫太夫は備後福山藩の阿部氏にそれぞれ仕えました。そして、残った藤七が家督を継ぎ、三村家の血筋を守り続けました。

彼の生涯は、主君への忠義、武士道の精神、そして家族への愛情に満ちたものでした。その生き方は、現代においても私たちに多くの教訓を与えてくれます。

参考資料

* 立石定夫『戦国宇喜多一族』 新人物往来社 1988年 ISBN 4404015119

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