新人物往来社

新人物往来社の歴史

株式会社新人物往来社（しんじんぶつおうらいしゃ）は、日本における歴史専門の出版社として深く記憶されています。この会社は、1951年に八谷政行（やたがいまさゆき）によって創刊された雑誌『人物往来』をルーツとして、1952年に正式に設立されました。もともと『人物往来』は、歴史に関する特集が好評を博し、その後『歴史読本』へと改題されました。この雑誌は、会社の顔ともいうべき存在となり、新人物往来社は歴史資料や図書の発行で知られる出版社として成長しました。

経営の変遷

1976年には経営危機に直面し、実業家の菅貞人が新たに経営を引き継ぎ、社名を新人物往来社に変更しました。その後、1977年には吉田清治著の『朝鮮人慰安婦と日本人』を発表し、さらに1976年からは日本で唯一の歴史小説専門文学賞である歴史文学賞を主宰し、数々の作家がこの賞から羽ばたいていきました。

また、2005年に菅春貴が新社長に就任し、新たな世代の指導のもと、会社は今後の展望を広げていくこととなります。2008年には、株式会社中経出版の完全子会社として新たな「新人物往来社」が設立され、旧社からその出版事業の営業権を取得しました。

出版の拡大

翌2009年には、歴史文庫シリーズ『新人物文庫』の創刊により、文庫本市場への進出を果たしました。このシリーズの初回配本には、永倉新八の『新選組顛末記』などが選ばれ注目されました。同年にはさらに、歴史関連の出版社である荒地出版社を吸収合併し、出典資料や出版物を豊富に取り扱う力を持ちました。

解散とその影響

しかし、2013年の4月には親会社である中経出版に吸収合併されて解散となり、それにともない新人物往来社の社名は消滅しました。『歴史読本』や『新人物文庫』などの出版物は、以降も中経出版が引き続き発行し、会社自体の消滅後も歴史に関する豊富な知識と情報の提供は続いていきました。また、2013年10月には中経出版もKADOKAWAに吸収合併され、この過程で『歴史読本』も休刊の運命を迎えました。

主要刊行物

新人物往来社が発行していた主な雑誌には、『歴史読本』や『歴史読本ワールド』がありました。また、書籍レーベルとしては『新人物文庫』や『新人物ノベルス』などが立ち上げられ、いずれも歴史をテーマにした作品が多く取り揃えられていました。さらに、関連会社としてチェリオ中部や中経出版があり、経営や出版の分野で多岐にわたる影響力を持っていました。

結論

新人物往来社は、日本の歴史文献界において多大な功績をあげた出版社であり、多くの歴史愛好家に親しまれていました。その活動が全うされた今も、同社が遺した歴史的な出版物は、引き続き多くの人々に利用され続けています。

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