三枝安茂

三枝 安茂

三枝 安茂（みえだ やすしげ）は、日本の地方政治家です。1928年（昭和3年）10月24日にこの世に生を受け、2025年（令和7年）2月28日に96歳で亡くなりました。埼玉県春日部市の発展に大きく貢献し、特に同市の市長を五期にわたり務めたことで知られています。その功績に対し、没後には従四位が贈られ、生前には旭日中綬章や藍綬褒章といった栄誉を受けています。

生涯と経歴

埼玉県で生まれた三枝安茂は、まず旧制埼玉県立粕壁中学校で学び、その後の進路として海軍通信学校に進みました。第二次世界大戦終結後、明治大学商学部に入学し、1949年（昭和24年）に大学を卒業しました。社会人としての第一歩は、現在の埼玉県幸手市にある幸手町の肥料店での勤務でした。

その後、三枝氏は政治の世界に足を踏み入れます。1955年（昭和30年）、春日部市議会議員選挙に立候補し、初当選を果たしました。市議会議員としては長期間にわたり活躍し、連続して六期務め上げました。市議会においては要職を歴任し、副議長を経て議長の座にも就き、議会運営の中心的な役割を担いました。市議六期目の任期途中であった1978年（昭和53年）には、春日部市の助役に就任し、市政の執行部で重要な役割を担いました。

市長として

助役を務めた後、1986年（昭和61年）には春日部市長選挙に挑戦し、見事に当選を果たしました。以来、連続して市長を務め、五期にわたる長期政権を築き上げました。約20年間にわたり春日部市政のかじ取り役を務め、この市長在任期間中、1993年（平成5年）秋には、地方自治に対する長年の功労が認められ、藍綬褒章を受章しています。

市政の大きな節目となった2005年（平成17年）には、春日部市にとって歴史的な出来事がありました。隣接する北葛飾郡庄和町との合併です。この合併により新たな春日部市が誕生するにあたり、三枝氏は円滑な移行期間を管理するための新春日部市の市長職務執行者に就任しました。新しい市での最初の市長選挙には立候補せず、公職の第一線から退きました。

公職を離れた翌年の2006年（平成18年）春には、これまでの多大な貢献に対して、旭日中綬章が授与されました。

最期

晩年は静かに過ごし、2025年（令和7年）2月28日、老衰のため、96歳でその生涯を閉じました。逝去の後、その功績と位階が考慮され、没日付をもって従四位に叙せられています。

三枝安茂氏は、市議会議員から助役、そして五期にわたる市長として、長年にわたり春日部市の発展に尽力した政治家として、その名が記憶されるでしょう。

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