三柱鳥居

三柱鳥居

三柱鳥居（みはしらとりい）は、三基の鳥居を組み合わせた形式の鳥居です。この独特な構造は、正三角形の平面形状を持ち、隣接する鳥居同士が柱を共有しています。そのため、全体としては三本の柱で支えられています。笠木の部分は井桁状に組まれ、貫は柱を貫通していないのが特徴です。

この三柱鳥居は神明鳥居を組み合わせたものや、木嶋神社に見られるような曲線を取り入れたデザインのものなど、さまざまなバリエーションがあります。全国各地に存在し、それぞれが独自の歴史と神社の背景を持っています。

三柱鳥居の代表的な例

木嶋坐天照御魂神社

京[[都市]]右京区に位置する木嶋坐天照御魂神社（蚕の社）には、石造りの三柱鳥居が存在し、境内の「元糺の池」の中に設けられています。この鳥居は1831年に再建されたものですが、過去には木造のものも存在しており、「北斎漫画」の第十一集に描かれています。

三囲神社

東京都墨田区向島にある三囲神社は、石造りの三柱鳥居に囲まれており、井戸も設けられています。この神社は、三井家が江戸で守護社と定めたことから、特別な意義を持っています。

岐阜県大和町の三柱鳥居

岐阜県郡上市大和町内ヶ谷にある三柱鳥居は、標高約1000メートルの山麓に立っていますが、周囲には神社が存在しません。この場所にはアクセスが難しい登山道があり、特定の宗教的シンボルではなく、地元の林業関係者が建立したものです。

大神教本院

奈良県桜井市の大神神社の下に位置する大神教本院には、三輪稲荷大明神社の拝殿前に三柱鳥居が立っています。この鳥居は黄土色の丸柱からなっており、その景観は神秘的です。

南禅寺大寧軒

京[[都市]]左京区の南禅寺大寧軒の庭には、木嶋神社を模した三柱鳥居があります。この鳥居は非公開のため、一般の人々が見ることはできません。

和多都美神社

長崎県対馬市にある和多都美神社では、社殿の横と境内の池にそれぞれ三柱鳥居が設置されています。

その他の事例

そのほかにも、成子天神社（東京都新宿区）、徳積三柱鳥居（岐阜県）、稲飯神社（徳島県）など、全国各地でさまざまな形態の三柱鳥居が存在しています。

特に興味深いのは、徳積三柱鳥居であり、ここでは造化三神を祭り、かつての神域が現代においてどう扱われているかという問題を内包しています。

また、船盡比売神社（徳島県）では、自然石を用いた独特な形状の三柱鳥居も見られ、その形態はドルメンに似ており、鳥居の原型とも考えられています。

終わりに

三柱鳥居は、地域ごとの特色や歴史が反映された興味深い文化遺産です。神社を訪れる際には、それぞれの三柱鳥居に込められた意味や背景を感じ取ることで、より一層深い体験ができることでしょう。

もう一度検索