三橋信方

三橋信方（みつはし のぶかた）は、1857年1月13日（安政3年12月18日）に生まれ、1910年（明治43年）6月25日に没した、日本の外交官であり、横浜市長を務めた人物です。

生い立ちと初期の経歴

三橋信方は、江戸下谷掃除町で幕臣の家に誕生しました。母は三橋かよ子です。1877年（明治10年）から工部省に出仕し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。その後、神奈川県庁に移り、二等属、一等属を歴任。その能力を認められ、外務省へと活躍の場を広げていきます。

外務官僚としての活躍

外務省では、御用掛を皮切りに、神奈川県書記官、同参事官、臨時横浜築港局次長などを務めました。1896年（明治29年）には外務省参事官兼書記官に任命され、会計課長、外務大臣秘書官、秘書課長、電信課長など、重要な役職を歴任しました。その後、弁理公使を経て、1901年（明治34年）にはオランダ公使兼デンマーク公使に任命され、外交官として国際舞台で活躍しました。

横浜市長としての貢献

1906年（明治39年）に外務省を退官した後、三橋信方は横浜市長に就任しました。在任中は、1909年（明治42年）7月には開港50年記念祭典を主導し、市の紋章と市歌を制定するなど、横浜の発展に大きく貢献しました。しかし、市長在任中にマラリアを発症し、その生涯を終えることとなりました。彼の功績は、今もなお横浜の歴史に深く刻まれています。墓所は東京都文京区の善雄寺にあります。

栄典

位階
1906年（明治39年）1月31日 - 従四位
1910年（明治43年）6月25日 - 正四位

勲章
1902年（明治35年）12月28日 - 勲三等旭日中綬章

外国勲章佩用允許
1885年（明治18年）6月9日 - ハワイ王国：王冠勲章ナイトコマンドル
1891年（明治24年）8月12日 - オスマン帝国：美治慈恵第四等勲章

参考文献

大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1262271。
神奈川県県民部県史編集室 編『神奈川県史 別編1 人物』神奈川県、1983年。
元特命全権公使三橋信方特旨叙位ノ件（国立公文書館 アジア歴史資料センター）

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