三段崎為之

三段崎為之（みたざき ためゆき）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、朝倉氏の家臣としてその名を歴史に刻みました。三段崎氏は、朝倉高景を祖とする朝倉氏の庶流に位置づけられます。為之は、その卓越した弓術、特に強弓の使い手として名を馳せた勇猛果敢な武将でした。

天正元年（1573年）、織田信長による越前国への侵攻が開始されると、為之は朝倉軍の殿（しんがり）を任されました。一乗谷城の戦いにおいて、織田軍の武将である山内一豊との間で、激しい一騎打ちが繰り広げられました。この戦いで為之は、一豊に重傷を負わせるほどの奮戦を見せましたが、最終的には討ち取られてしまいました。為之の首は、織田方の武将である大塩正貞によって討ち取られ、一豊に渡されたと伝えられています。

また、為之の弟もまた剛勇の持ち主として知られていましたが、兄である為之を一度は見捨てて退却した後に、戦死を遂げたと言われています。この一連の戦いの中で、織田軍に討ち取られた武将の中に「三段崎六郎」という人物がいますが、この人物は為之の弟、または勘右衛門と同一人物であると推定されています。

三段崎氏の血筋はその後も続き、子孫は医師である谷野一栢に弟子入りし、朝倉氏の滅亡後は、福井県において代々医業を営む家系として存続しました。

三段崎為之は、その勇猛さと悲劇的な最期から、後世の様々な作品で取り上げられてきました。例えば、以下のような作品で、彼をモデルにした人物が登場しています。

映画『山内一豊の妻』（1939年） - 市川海老三郎が三段崎助右衛門役として出演
テレビドラマ『司馬遼太郎の功名が辻』（1997年） - 長江英和が三段崎為之役として出演
* NHK大河ドラマ『功名が辻』（2006年） - 岡田正典が三段崎為之役として出演

これらの作品を通して、三段崎為之という武将の存在は、広く知られるようになりました。彼の生き様は、戦国時代の武士の宿命と、その中で生き抜いた人々の強さを象徴していると言えるでしょう。

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