三津田健

三津田健 (みつだ けん)

三津田健は日本を代表する俳優であり、文学座の創設メンバーとして、長い俳優人生を歩みました。彼は1902年に東京で生まれ、本名は満田健児（みつだ けんじ）で、後に高須健児という芸名でも活動しました。彼はおとうちゃんという愛称で親しまれ、演劇界で中心的な存在として知られています。

初期の経歴

三津田は東京府立第四中学校を卒業し、その後早稲田大学の文学部に入学しましたが、1919年に自殺未遂を図り、その後は大学を中退。劇作家を目指し、地球座に参加していきます。彼は、1927年に劇団の旗揚げ公演『戦争の蠅』で舞台デビューを果たします。

文学座とシラノ役

1937年、彼は杉村春子らと共に文学座を創設し、その後も同劇団で活躍しました。特に『シラノ・ド・ベルジュラック』でのシラノ役は彼の代表作となり、141回の公演を重ね、彼自身を「シラノ役者」として広く知らしめました。また、他にも『女の一生』の章介役や『十三夜』の斎藤主計などの重要な役どころでも知られています。

映画とテレビドラマ

三津田の映画デビューは1931年の日活の『海のない港』で、以降様々な映画に出演。特に渋谷実監督の『やっさもっさ』や、木下恵介監督の『楢山節考』、また日伊仏蘭合作のオムニバス映画『世界詐欺物語』などで脇役としての演技で評価を得ました。1960年代にはテレビドラマでも活躍し、多くの作品に出演しました。

晩年と受賞

三津田は高齢になっても演劇活動を続け、特に別役実作品に多く出演。1987年の『ドン・キホーテより諸国を遍歴する二人の騎士の物語』では中村伸郎との共演で芸術祭賞と紀伊国屋演劇賞を受賞しました。1997年11月28日に脳梗塞により、95歳でこの世を去りました。

受賞歴

三津田はその演技力から多くの賞を受賞しています。1968年には紫綬褒章、1974年には勲四等旭日小綬章、1980年には菊田一夫演劇賞、1987年には紀伊国屋演劇賞個人賞などを受賞しています。彼の功績は日本の演劇界において大きな影響を与え、多くの後輩に受け継がれています。

三津田健の演技は、彼が関わったすべての舞台や映画に名を刻んでおり、今も多くの人々に影響を与える存在としてその名は記憶されています。

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