三浦周行

三浦周行（みうら ひろゆき）

三浦周行は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の歴史学者であり、特に法制史研究の分野で多大な功績を残しました。京都帝国大学名誉教授として、法制史という新しい学問分野を確立し、多くの研究者を育成しました。

生涯

1871年（明治4年）に、出雲国島根郡内中原町（現在の島根県松江市）で、三浦正祐の長男として生まれました。幼名は禄之助と名付けられましたが、元服後に周行と改めました。1890年に東京英和学校を修了後、東京帝国大学文科大学選科に進学し、1893年に国史科を修了しました。

法制史研究者としての道

大学卒業後、史料編纂助員として史料編纂事業に携わりました。その後、史料編纂官に昇進し、東京帝国大学法科大学から法制類聚編纂を嘱託されたことが、彼の研究人生における大きな転機となりました。歴史学と法学の双方を研究する過程で、日本における「法制史」という新しい学問分野を確立しました。

1907年には、京都帝国大学文科大学講師に就任し、1909年に学位論文を提出して文学博士号を取得しました。同年、教授に昇進し、近畿地方を中心に各地の寺社や旧家の古文書、古記録の調査・収集に尽力しました。また、市史や地域史の編纂にも携わるなど、幅広い活動を展開しました。

研究業績

三浦周行の代表作としては、『鎌倉時代史』、『歴史と人物』（1916年）、『法制史の研究』（1919年）、『国史上の社会問題』（1920年）、『続法制史の研究』（1925年）、『日本史の研究』1・2・新輯（1922年、1930年、1982年）などが挙げられます。これらの著作は、法制史研究の基礎を築いただけでなく、日本の歴史研究全体に大きな影響を与えました。

1931年7月、京都帝国大学を定年退官し、名誉教授となりました。しかし、同年9月6日に胃病のため逝去されました。享年61歳。

受賞・栄典

その功績が認められ、第10回帝国学士院恩賜賞を受賞しています。

家族・親族

父は三浦正祐です。

主な著作

『鎌倉時代史』
『歴史と人物』（1916年）
『法制史の研究』（1919年）
『国史上の社会問題』（1920年）
『続法制史の研究』（1925年）
『日本史の研究』1・2・新輯（1922年、1930年、1982年）
* 『定本 令集解釈義』瀧川政次郎共校註、内外書籍 1931


三浦周行の研究は、日本の法制史研究における重要な礎となり、今日においても高く評価されています。彼の学問に対する情熱と、緻密な研究態度は、後世の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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