三浦慎悟

三浦慎悟

三浦慎悟（みうら しんご、1948年 - ）は、日本の著名な哺乳類学者であり、早稲田大学名誉教授です。哺乳類の生態学、特に野生動物の行動生態学を専門とし、フィールドワークを通じて得られた知見を、野生動物の保全と管理に活かすことをライフワークとしてきました。また、日本哺乳類学会の会長を務めるなど、学会の発展にも大きく貢献しました。

人物

1948年、東京都に生まれた三浦慎悟は、東京農工大学農学部林学科を卒業後、同大学院農学研究科を修了しました。1983年には、京都大学より理学博士の学位を取得しています。博士論文の題は「Social behavior and territoriality in male sika deer (Cervus nippon) during the rut in Nara Park, Japan（奈良公園における発情期のオスシカの社会行動とナワバリ）」であり、この研究からもわかるように、シカをはじめとする野生動物の社会行動や生態に早くから関心を寄せていました。

研究者としてのキャリアは、兵庫医科大学生物学教室の助手として始まり、その後、農林水産省森林総合研究所鳥獣研究室長、森林動物科長、研究管理官などを歴任しました。その後、新潟大学農学部教授を経て、早稲田大学人間科学学術院人間環境科学科教授に就任。2019年に定年退職されました。

業績

三浦慎悟の研究は、野生動物の生態解明にとどまらず、その成果を保全や管理に役立てることを重視している点が特徴です。特に、シカやクマ、イノシシ、アライグマなど、人間生活との関わりの深い動物たちの生態を詳しく調べ、その情報を基にした対策を提案してきました。著書も多数あり、一般読者向けにもわかりやすく解説した書籍も出版しています。

著書（一部）

『日本の哺乳類』(2008年、東海大学出版会)
『野生生物と人間』(1977年、紀伊国屋書店)
『哺乳類の生態学』(1997年、東京大学出版会)
『社会 哺乳類の生物学』(1998年、東京大学出版会)
『日本の哺乳類学』(2008年、東京大学出版会)
『人里に現れるクマ』(2012年、金の星社)
『野生動物管理 : 理論と技術』(2012年、文永堂出版)
『植物を食べつくすシカ』(2012年、金の星)
『日本にすみつくアライグマ』(2012年、金の星社)
『畑をあらすイノシシやサル』(2012年、金の星社)

論文

「大台ケ原のシカと植物ーその現状と課題ー」(1989年、関西自然保護機構会報)

関連項目

日本哺乳類学会

三浦慎悟は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの人材を育成しました。その研究成果と教育活動は、日本の哺乳類学の発展に大きく貢献しています。

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