三田定則

三田 定則（みた さだのり）

三田定則は、日本の歴史に名を刻む法医学者であり血清学者です。1876年1月27日に岩手県盛岡に生まれ、1950年2月6日に亡くなるまで、多くの業績を残しました。彼は東京帝国大学で医学を専攻し、多くの学問領域において優れた功績を残しました。

経歴の始まり

定則は、盛岡の関定昌の三男として誕生しました。東京帝国大学医科大学専科で学び、1901年に卒業を果たしました。1904年には岩手医科専門学校の創立者である三田俊次郎の養子となり、三田という名前を名乗ることになりました。

法医学との出会い

卒業後、定則は東京帝大医科大学の医化学教室に入り、1904年には助教授となります。その後、法医学講座に移り、当時の法律医学界で知られる片山国嘉の後を継いで教授としての道を歩むことになります。1907年にはドイツやフランスへ留学し、血清学の研究に従事しました。1912年に帰国し、1914年には医学博士号を取得。

教育者としての道

1918年、彼は血清化学講座を設立し、教授に就任します。さらには1921年から法医学講座の主任も兼任することになります。定則は学術研究会議のメンバーとしても活躍しており、1932年には帝国学士院の会員に選出されました。彼は1936年に東京大学から定年退職しました。

台湾での功績

1936年に定年退職後、彼は台湾に移り、台北帝国大学の医学部の設立に関与し、初代医学部長に就任しました。翌年の1937年には大学の総長に任命され、熱帯医学研究所の設立などに力を注ぎました。彼は1941年に総長の職を辞し、1942年に日本に帰国しました。

岩手医学専門学校の発展

帰国後、養父である三田俊次郎の後を受けて岩手医学専門学校の校長となりました。定則は戦後の学制改革において、専門学校を大学に昇格させ、地域医療の人材育成に尽力しました。

1947年8月9日には、昭和天皇が岩手県に訪れる際にお召しを受け、様々な話し合いを持ちました。昭和天皇との交わりは、台北帝国大学総長の時代にもあり、深い関係が築かれていました。

受賞と栄典

三田定則は1950年に亡くなる際、勲一等瑞宝章を受勲しました。彼の業績は、法医学や医学教育に大きく寄与したことが評価されてのものでした。

家族と人々

彼の家族には、多くの名士がいます。父の関定昌は旧盛岡藩士であり、養父の三田俊次郎は眼科医で岩手医科専門学校の創立者です。また、実兄の関定孝は盛岡市の第3代市長を務め、女子教育の発展に寄与しました。さらに、彼の姪には石川啄木の友人であった板垣玉代がいます。

著作と業績

三田定則は多くの著作や論文を残しています。特に共著として『健康増進叢書 保健篇』があり、これは医学教育や健康に関する重要な資料となっています。彼の研究や著作物は、今日の医学分野においても重要な位置を占めており、彼の影響は今もなお続いています。

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