三相4線式

三相4線式配電システムの概要

三相4線式配電システムは、三相交流の電力を4本の電線を利用して供給する方式です。このシステムは特に、電力需要が高い地域や、特定の負荷に対して有効に機能します。日本やヨーロッパをはじめとする多くの国で、この方式が広く採用されており、特定の環境や条件に応じてさまざまな形態で実装されています。

低圧三相4線式

低圧の三相4線式は、特に電力需要密度の高い地域において重要な配電方式です。このシステムでは、地中電線路や借室電気室の二次側で利用されることが一般的で、主には電動機や高周波蛍光灯など、異なる電圧負荷に対応できるよう設計されています。

この方式では、三相変圧器の二次側で中性点が接地されているため、電圧のかからない中性線と、対地電圧240 Vがかかった3本の電圧線が引き出されます。中性線は基本的に接地され、単相240 Vの負荷にはこの中性線および電圧線との接続が行われます。また、三相負荷には相間電圧415 Vでの電圧線が使用されます。

ヨーロッパにおける配電方式

ヨーロッパでは、低圧三相4線式は200V級の商用電源電圧を使用する地域で一般的です。三相交流の電気は、末端の低圧変圧器によって降圧され、動力供給または電灯用にそれぞれの負荷に適した電圧が得られます。たとえば、三相380Vから単相220V、三相400Vからは単相230Vの電源を得ることができます。このような構成により、効率的な電力供給が実現されています。

日本との主な違いは、低圧変圧器や配電線を動力と電灯の両方で共用する点にあります。この共有は設備の運用効率を向上させますが、動力が必要ない需要家には2本の電線だけを取り出すことがよくあります。

特別高圧三相4線式

特別高圧に昇圧された三相4線式の一例として、11.4 kV Y結線方式があります。この方式では中性線を追加し、6.6 kVのΔ結線高圧三相3線式と比較すると、供給力は√3倍、電圧降下は1/3になるという特長があります。このことにより、同容量の負荷供給において電線路の損失を大きく抑えることが可能です。ただし、事故時の保護に対する工夫も求められます。

まとめ

三相4線式は国や地域によって異なる配電ニーズに応じて柔軟に運用されており、効率的な電力供給を実現しています。この配電方式は、相間電圧や接地方式が異なる様々な負荷に対応するため、今後もその重要性が高まっていくでしょう。

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