三種混合ワクチン

ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチンについて

ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチン（DPTワクチン）は、3つの病気に対して免疫をつけるためのワクチンです。このワクチンは、ジフテリア、百日咳、そして破傷風の病原体に対応しており、特に日本では「三種混合ワクチン」として広く知られています。

ワクチンの概要

このワクチンは、Diphtheria（ジフテリア）、Pertussis（百日咳）、Tetanus（破傷風）の頭文字を取ってDPTと名付けられています。日本においては、DTPと呼ばれることもありますが、MMRワクチンと区別するために三種混合ワクチンと特定されています。このワクチンの構成要素として、ジフテリアと破傷風に対する成分はトキソイド（毒素を無毒化したもの）であり、百日咳に対する成分は不活化ワクチンと成分ワクチンの２つの種類があります。

近年では、成分ワクチンが主流となっており、日本では1981年から改良されたDTaPワクチンが使用されています。この改良により副作用のリスクが低減していますが、成人用のTdapワクチンも流通しており、アメリカ疾病予防管理センター（CDC）は10年ごとに接種することを推奨しています。Tdapワクチンは子ども用ワクチンに比べて接種後の反応が若干和らげられているとされています。

ただし、加えて注射による痛みについての懸念も多く、多くの人がこのワクチン接種の痛みを訴えています。研究によると、DPTワクチンは他の予防接種と比べて痛みや不快感の訴えが多いことがわかっていますが、その原因は完全には明確ではなく、使用される補助剤が関与していると考えられています。

日本での接種の歴史

日本では、1949年からジフテリアトキソイドによる予防接種が開始され、1958年には百日咳を加えた二種混合ワクチンが導入されました。さらに1964年からは破傷風トキソイドが追加され、全国で三種混合ワクチンが使用されるようになりました。しかし、1975年には百日咳成分による重篤な副反応を受けてDPTワクチン接種が一時中止される事態となりました。

その後、1981年から新たに改良型のDPTワクチンが再開されることとなり、1994年には予防接種法の改正により、定期接種プログラムが設定されました。また、2012年からは四種混合ワクチンが導入され、DPT-IPVとして定期接種されることとなっています。

接種年齢と推奨事項

理想的な接種年齢は、生後3ヶ月から1歳までの間に初回の接種を行い、続いて1年から1年6ヶ月後に追加接種を行います。11歳頃にはDTワクチンのみの接種が推奨されています。

成人に関しては、CDCは20歳以上の人に対して10年ごとにTdapワクチンの接種を推奨していますが、日本の国立感染症研究所はその必要性を強くは推奨していません。しかし、特定非営利活動法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」は、成人における免疫力の低下を考慮し、追加接種を勧めています。

ゼラチンアレルギーについて

日本においては、1994年にゼラチンを含む三種混合ワクチン接種後にアナフィラキシー反応が発生したことが報告されています。これは、特に若い乳児においてゼラチンに感作されるケースがあったためで、その対応として1996年までにワクチンからゼラチンを除去することが決定され、その後の患者報告はなくなりました。

これらの情報は、DPTワクチンの重要性と日本における予防接種の歴史、接種方法についての理解を深める助けになるでしょう。ワクチン接種は病気から身を守るための重要な手段であり、正しい知識を持つことが大切です。

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