三笠コカ・コーラボトリング

三笠コカ・コーラボトリング：歴史と変遷

三笠コカ・コーラボトリングは、かつて奈良県、滋賀県、和歌山県の近畿3県において、コカ・コーラ製品の製造・販売を担っていた企業です。近畿地方の他の地域、例えば京都府、大阪府、兵庫県は近畿コカ・コーラボトリング、三重県はコカ・コーラセントラルジャパンがそれぞれ管轄していました。

セゾングループからコカ・コーラウエストへ

設立当初、三笠コカ・コーラボトリングはセゾングループの一員であり、西武化学工業（後の朝日工業）が主要株主でした。しかし、2002年1月にコカ・コーラウエストジャパンの完全子会社となり、セゾングループから離脱しました。その後、2006年にはコカ・コーラウエストジャパンが近畿コカ・コーラボトリングと経営統合し、コカ・コーラウエストホールディングス（CCWH）という持株会社体制へと移行。三笠コカ・コーラボトリングもCCWHの完全子会社となりました。そして、2009年1月、親会社であるCCWHに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

沿革

1962年12月：東京都豊島区に三笠飲料株式会社として設立。
1963年3月：コカ・コーラ及びファンタの販売を開始（製品は近隣ボトラーからの調達）。
1964年2月：本社を奈良県天理市に移転、三笠コカ・コーラボトリング株式会社に商号変更。
1964年6月：奈良工場完成、自社生産を開始。
1968年5月：滋賀工場完成、操業開始。
1971年5月：和歌山工場完成、操業開始。
1974年7月：和歌山工場に250ml缶製品製造ライン設置。
1977年5月：奈良工場を閉鎖し、滋賀・和歌山の二工場に集約。
1978年2月：滋賀工場にリットル壜製品製造ライン設置。
1982年9月：和歌山工場にリアルゴールド等の小壜製品製造ライン設置。
1983年3月：和歌山工場に300mlワンウェイボトル製品製造ライン設置。
1985年10月：滋賀工場にジョージアコーヒー製造ライン設置。
1986年3月：滋賀工場にPETボトル製品製造ライン設置。
1987年4月：和歌山工場缶ラインを350ml缶製品製造に対応。
1988年8月：大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。
1989年9月：本社事務所を奈良市に移転。
1990年6月：和歌山工場にPETボトル製品製造ライン設置。
1992年6月：滋賀工場コーヒー・茶製造ラインを改造し生産能力を倍に。
1996年6月：本社事務所を天理市に移転。
1996年11月：和歌山工場の壜製品（PETボトル・ガラス壜製品）製造ラインを滋賀工場に集約統合。
2001年12月：和歌山工場を閉鎖。
2002年1月：コカ・コーラウエストジャパン株式会社（CCWJ）が完全子会社化。大阪証券取引所市場第二部上場廃止。
2006年7月1日：CCWJと近畿コカ・コーラボトリング株式会社（近畿CCBC）が経営統合。
2009年1月1日：CCWHが、CCWJ、近畿CCBC、三笠CCBCの3社を吸収合併し、コカ・コーラウエスト株式会社に商号変更。

工場

滋賀工場：主にPET製品とジョージア缶製品を製造。コカ・コーラウエストプロダクツ滋賀工場を経て2009年に閉鎖。跡地はUCC滋賀工場。
奈良工場：本社敷地内に開設。1977年に滋賀・和歌山両工場にラインを集約し廃止、物流倉庫として活用。
* 和歌山工場：びん製品及び缶製品を製造。1996年に壜製品ラインを滋賀工場に集約統合、2001年に廃止。跡地は打田SCとして活用。

三笠エリアで販売されていた缶製品は、後に近畿コカ・コーラボトリング京都工場（後のコカ・コーラウエストプロダクツ京都工場）で生産されました。

異物混入問題

2006年、三笠コカ・コーラボトリング滋賀工場で製造されたコカ・コーラ社製品に鉄の微粉末が混入する問題が発生しました。原因は製造工程における糖度・炭酸ガス測定器の鉄製部品のヒビ割れとされ、自主回収が行われました。この問題は、品質管理の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

もう一度検索