三船和子

三船和子（みふね かずこ）は、1947年9月1日、愛知県一宮市に生まれました。彼女の生まれた日が9月1日であったことから、「一子（かずこ）」と名付けられたそうです。幼少の頃から歌手の松山恵子に憧れ、歌の世界を志しました。

1965年、三船は、当時新設されたばかりのミノルフォンレコードから「ベトナムの赤い月」でデビューを果たしました。この曲は、ベトナム戦争を背景にした反戦歌であり、彼女の歌手としてのキャリアの第一歩を飾る楽曲となりました。翌1966年には、「他人船」がヒットし、10万枚を超えるセールスを記録しました。この曲で、彼女の名前は広く知られるようになり、演歌歌手としての地位を確立し始めました。

しかし、1968年9月11日深夜、彼女を乗せたタクシーがガードレールに激突する交通事故に遭います。幸い外傷はなかったものの、鞭打ち症によって頸椎が声帯を圧迫し、声を出すことが困難になりました。この事故により、彼女は歌手活動を一時中断せざるを得なくなりました。当時21歳だった三船は、歌手活動を断念し、辰巳晴也と結婚します。その後、リハビリと日常生活を通じて徐々に声を回復させました。

1982年8月1日、東芝EMIから「だんな様」で再デビューを果たします。この曲はオリコンチャートでは最高87位でしたが、50万枚の売上を記録し、三船の復活を印象づけました。その後、1992年には松尾芸能賞歌謡芸能音楽賞を受賞。1995年には、念願の『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしました。2015年には、徳間ジャパンコミュニケーションズに復帰し、再び精力的に活動を行っています。

三船和子のディスコグラフィは、ミノルフォン時代に15枚、東芝EMI時代に38枚、徳間ジャパン復帰後にシングルをリリースしています。また、多くのアルバムも発表しており、「おんなの演歌」、「演歌の心」、「演歌おんな歌」などが知られています。

彼女は、1966年の映画『太陽に突っ走れ』に本人役で出演した経験もあります。また、1993年には松尾芸能賞優秀賞、2014年には日本レコード大賞功労賞を受賞するなど、その長年の功績が認められています。

三船和子は、交通事故による活動休止という困難を乗り越え、再び演歌界で活躍する歌手です。彼女の歌声は、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。

ディスコグラフィ

シングル
1 - 15：ミノルフォン
16 - 53：東芝EMI
54 - ：徳間ジャパン
アルバム
ミノルフォン
おんなの演歌（KC-9629）
東芝EMI
演歌の心（1984年4月21日、TP-90280）
演歌おんな歌（1984年9月1日、TP-90300）

出演

映画
太陽に突っ走れ （1966年、東映） - 本人役

受賞

第14回松尾芸能賞（1993年） - 優秀賞
第56回日本レコード大賞（2014年） - 功労賞

NHK紅白歌合戦出場歴

1995年: 第46回NHK紅白歌合戦 初出場

外部リンク

三船和子音楽事務所

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