三菱ふそう・DC系エンジン

三菱ふそう DC系エンジンの概要

三菱ふそうが1976年から製造したDC系エンジンは、V型のディーゼルエンジンのシリーズであり、主に大型トラックやバスに搭載されました。強力なエンジン仕様で、トラック業界を支える存在として長年にわたり活躍しました。そんなDC系エンジンは、1967年から2005年にかけて、三菱自動車工業（のちの三菱ふそうトラック・バス）によって開発・生産されました。このシリーズでは、V6、V8、V10、V12の各エンジンが展開され、特に大型車両においてその性能を発揮しました。

シリーズの変遷

DC系エンジンは、1967年の名神高速道路の開通に伴い、輸送の効率性を高めるために開発されました。この新しいエンジンは、従来のDB系列からの大きな進化を遂げ、高速輸送時代に即した性能を持つことが求められました。1985年には、バス用の8DC9（T6）エンジンにおいて、初の圧縮開放式の補助エンジンブレーキ「パワータード」が採用され、運転の安全性と快適性が向上しました。1990年からは、新たに開発されたM2系列が登場し、トラック用エンジンにおいても「パワータード」が標準装備されました。

2000年には、8DC11型エンジンの一機種が平成11年規制に準拠し、特にスーパーグレートやエアロバスなどに搭載されることとなりました。そして、2005年には市販車向けの展開を終了しましたが、産業用の8DC9型（ターボ付）は引き続き生産されることとなります。

エンジンの詳細

DC系エンジンには、各種のサイズと出力を持つモデルが存在し、用途に応じた選択が可能でした。代表的な型式として、6DC2、8DC2-C、8DC2、8DC6-C、8DC6、10DC6などがあり、前者が予燃焼室式、それ以外のものは直接噴射式となります。それぞれのエンジンの性能は排気量や出力に依存し、例えば、8DC9-T型は最大出力360psを誇っていました。

以下に一部のエンジン仕様を紹介します：

• - 6DC2: 排気量9,955cc、出力200PS、トルク67kg･m
• - 8DC9: 排気量16,031cc、出力310PS、トルク108kg･m
• - 12DC2: 排気量19,910cc、出力350PS、トルク120kg･m

このように、DC系エンジンは多様な性能バリエーションを持ちながら、特にトラックやバスなどの大型車両において、必要な出力と効率を確保するために設計されていました。

主な搭載車両

このエンジンシリーズを搭載した主な車両には、トラックとしてはTシリーズ（T800/T900系）、Fシリーズ（FU/FV系）などがあり、バスにはB8/B9系やエアロバス（MS7系、MS8系）、エアロクィーン、エアロキングなどが挙げられます。これらの車両は、DC系列エンジンの優れた性能を最大限に活かした設計となっています。

このような背景から、三菱ふそうのDC系エンジンは、日本国内外での輸送業界において重要な役割を果たし続けました。

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