三菱・デリカスターワゴン

デリカスターワゴン：三菱のレガシーを受け継ぐワンボックスカー

デリカスターワゴンは、三菱自動車工業が製造販売していたキャブオーバー型のワンボックスカーです。乗用車としての快適性と、商用車としての堅牢性を兼ね備えたモデルとして、長年にわたり多くの人々に愛されてきました。日本での生産は2013年に終了しましたが、台湾の中華汽車（CMC）では現在も生産が続けられています。

デリカシリーズにおける位置づけ

デリカスターワゴンは、デリカシリーズにおいて2代目と3代目モデルに相当します。5ナンバー車と3ナンバー車がラインナップされており、三菱のパジェロと並び、日本における乗用四輪駆動車の先駆け的な存在と言えるでしょう。基本設計は商用車と共通ですが、快適装備の充実やデザイン性の向上により、乗用車としての魅力を高めています。

初代デリカスターワゴン（1979年 - 1986年）

初代モデルは、1975年に生産終了した初代デリカ1400/1200コーチの後継として1979年6月に登場しました。当初は1.6Lエンジン搭載の9人乗り標準ルーフのみの設定でしたが、後に1.8Lエンジン搭載モデルや4WDモデルが追加されました。また、ワンボックスカーとしては初となる5速MTも採用されました。モデルライフサイクルを通して、エンジン排気量の拡大、4WDモデルの追加、快適装備の充実など、様々な改良が加えられていきました。

初代モデルの主な特徴

1.6L/1.8Lガソリンエンジン搭載
ワンボックスカー初となる5速MT
4WDモデル追加
充実した快適装備

2代目デリカスターワゴン（1986年 - 2013年）

1986年にはフルモデルチェンジを行い、2代目モデルが登場しました。ホイールベースは標準とロングの2種類、ルーフはエアロルーフとハイルーフが用意され、バリエーションが豊富でした。2.0Lと2.5Lガソリンエンジン、2.5Lディーゼルターボエンジンが搭載され、3ナンバー車もラインナップに加わりました。ワゴン2WDモデルには、多くのサンルーフを追加した「クリスタルライトルーフ」が設定され、世界初の電動サンシェードも搭載されました。

2代目モデルは、マイナーチェンジを繰り返しながら、長期間にわたって販売されました。販売期間中に、ヘッドランプデザインの変更、インテリアの高級化、安全装備の充実などが図られました。また、「シャモニー」や「ジャスパー」といった、冬季や夏季をテーマにした特別仕様車も設定され、ユーザーの多様なニーズに対応しました。

2代目モデルの主な特徴

標準/ロングホイールベース、エアロルーフ/ハイルーフ
2.0L/2.5Lガソリンエンジン、2.5Lディーゼルターボエンジン
「クリスタルライトルーフ」と電動サンシェード
多様な特別仕様車

デリカスターワゴンの評価

デリカスターワゴンは、その高い走破性と使い勝手の良さから、アウトドアを愛するユーザーを中心に高い人気を博しました。特に4WDモデルは、クロカンワンボックスという独自のカテゴリーを確立し、多くの支持を集めました。東南アジアなど海外市場においても高い評価を得ており、中古車の輸出も盛んに行われています。

まとめ

デリカスターワゴンは、三菱自動車の歴史において重要なモデルの一つであり、日本の自動車産業に大きな足跡を残しました。その高い実用性と個性的なデザインは、現在でも多くのファンを魅了し続けています。 日本での生産終了後も、台湾で生産が継続されている点からも、その人気と影響力の大きさが伺えます。

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