三菱・KE4系・KE6系エンジン

三菱・KE系エンジンの概要

三菱自動車工業が1963年から1973年にかけて製造したKE系エンジンは、1.0Lから2.3Lの排気量を持つ直列4気筒および2.0Lの直列6気筒ガソリンエンジンです。これらのエンジンは、自動車分野だけでなく、産業用エンジンとしても利用されました。特に、エンジン技術の発展を反映した5つの系譜が存在しており、その多様性を示しています。

エンジンの系譜

KE系エンジンは、以下の5つの主要な系譜から構成されています：

1. KE5系列：最初はトラック用の5.3L直列4気筒ディーゼルエンジンとして開発され、後にKE21（5.8L）やKE25を経て進化しました。

2. KE3系列：ジープ向けに開発されたJH4ジャパンハリケーンエンジンを基盤にしたこの系列は、ディーゼルエンジンで、KE31からKE36（3.3L直列6気筒）、KE63（3.5L化）へと発展しています。

3. KE43・ネプチューン系列：三菱・コルト1000向けに設計されたガソリンエンジンで、KE43（1L）から始まり、KE44（1.1L化）やKE46（1.2L化）に進化しました。最終的には4G4ネプチューンへと発展しました。

4. KE41・ジュピター系列：三菱ふそう・ジュピター用のディーゼルエンジンから発展したもので、最初のモデルはKE41（2.0Lディーゼル）で、これを基にKE42（ガソリン化）やKE47（2.3L化）へと進展します。また、KE42はKE62（3Lガソリン直列6気筒）やKE41はKE61（3Lディーゼル直列6気筒）へも発展しました。

5. KE64系列：三菱・デボネア向けに開発されたKE64からは、KE65（3.5L化）までの進化を遂げています。これにより、KE64（2.0L直列6気筒）からKE45（コルト1500用1.5L直列4気筒化）が生まれました。

共通構造と性能

KE系エンジンはすべて4ストロークで直列型の構造を持っており、各シリンダーには2つのバルブ（吸気1、排気1）が設置されています。また、すべてのエンジンは水冷方式が採用されています。

エンジン仕様の一部

• - KE42：

- 排気量：2.0L（1,995 cc）
- 最大出力：66kW（90PS）/ 4,800rpm
- 最大トルク：57N·m（16kgf·m）/3,000rpm
- 初搭載車種：キャンター

• - KE43：

- 排気量：1.0L（977 cc）
- 最大出力：37kW（51 PS）/ 6000rpm
- 初搭載車種：コルト1000

• - KE46：

- 排気量：1.2L（1189 cc）
- 最大出力：49kW（67 PS）at 6000rpm
- 最大トルク：94 N·m（69 ft·lbf）at 3800rpm
- 初搭載車種：コルト1200

• - KE64：

- 排気量：2.0L（1991 cc）
- 最大出力：78kW（106 PS）at 5000rpm
- 最大トルク：163 N·m（120 ft·lbf）at 3400rpm
- 初搭載車種：デボネア（初代）

このように、三菱のKE系エンジンは多様な排気量と用途を持ち、自動車産業において重要な役割を果たしました。各エンジンモデルは、特定の用途に合わせた設計がなされており、三菱の技術革新を象徴する存在となっています。

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