三菱一号館美術館

三菱一号館美術館：歴史と芸術が融合する空間

三菱一号館美術館は、東京の中心部、丸の内エリアに佇む美術館です。その歴史は、明治時代に建てられた旧三菱一号館の復元から始まります。大手不動産会社である三菱地所が運営する企業博物館として、2010年に開館しました。

この美術館の最大の特徴は、歴史的建造物である旧三菱一号館を忠実に復元した建物にあります。丸の内における最初の洋風貸事務所建築として、近代日本の発展を象徴する建築物です。その重厚な佇まいと洗練された空間は、来館者に独特の雰囲気を与えます。

展示内容とコレクション

三菱一号館美術館は、19世紀の近代美術に焦点を当てた展示を展開しています。常設展はありませんが、年間3～4回の企画展を開催し、多様な作品を鑑賞することができます。特に、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品を数多く収蔵していることが知られています。ロートレック作品は、画家自身の手元にあり、後に友人の画商が受け継いだ貴重なコレクションで、その多くが美術館に展示されています。

そのコレクションの充実ぶりから、フランスのトゥールーズ=ロートレック美術館と姉妹館提携を結ぶなど、国際的な評価も得ています。他に、モーリス・ジョワイヤンコレクションやジョン&ミヨコ・ウンノ・デイヴィーコレクションなど、1880年代から1890年代に制作された美術品や工芸品が多数収蔵されており、19世紀の芸術文化を多角的に学ぶことができます。ジョン&ミヨコ・ウンノ・デイヴィーコレクションは、「生活のなかのジャポニズム」をテーマとし、陶磁器、銀器、ガラス作品など、200点以上の作品で構成されています。

美術館の構成と施設

展示室は、建物の構造上、平均40m²と比較的コンパクトな20室で構成されています。1階から3階まで配置され、それぞれの展示室で異なるテーマの企画展が開催されます。また、カフェ「Café 1894」やミュージアムショップ「Store 1894」、歴史資料室、三菱センターデジタルギャラリーなどの付帯施設も充実しており、来館者は快適な時間を過ごすことができます。

歴史と休館

1894年に竣工した旧三菱一号館は、その後、東9号館と名称を変えましたが、1968年に解体されました。それから約40年後の2009年に、元の姿に復元され、翌2010年に三菱一号館美術館として開館しました。2023年4月より、建物の修繕工事のため長期休館となっていますが、2024年秋頃の再開を目指しています。

アクセスと情報

三菱一号館美術館は、東京メトロ各線、JR各線からのアクセスも良好です。公式サイトや公式SNSでは、最新の展示情報や開館情報などを確認できます。歴史的建造物と貴重な美術コレクションが融合する三菱一号館美術館は、丸の内を訪れた際にはぜひ足を運びたい場所です。

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