三菱本館

三菱本館の歴史と建築概要

三菱本館はかつて東京都千代田区丸の内に存在した歴史的な建物で、別名として第22号館、三菱第22号館、三菱本社本館などがある。この建物の設計や増築に至る過程を通じて、当時の日本の建築文化や三菱の歴史を振り返ってみることにしよう。

沿革

三菱本館の起源は明治時代にさかのぼります。三菱合資会社が東京府東京市麹町区八重洲町に本社を設けることを計画し、そのための建物の設計を一般の建築家から募集しました。1911年10月、新聞や建築専門誌に設計コンペティションの広告が掲載され、1912年の最終締切までに54人から58案が提出されました。

審査員には当時の専門家が含まれ、最終的には木子幸三郎の案が最も評価され、続いて池田稔や内田祥三が選ばれました。しかし、最初に選ばれた案は会社の事情で実際の建物には反映されることがなく、1915年11月には別の設計による工事が始まり、1918年に完成を迎えました。この建物は第22号館として知られ、後に三菱本館や三菱仮本社とも呼ばれるようになります。

その後、1921年には増築が行われ、これにより三菱本館新館が完成しました。さらに1937年には別館も建設され、当時の日本における三菱の発展の象徴となりました。

戦後の変遷

第二次世界大戦の敗戦後、三菱本館は1946年1月に連合国軍によって接収され、1956年1月まで女子軍人宿舎や郵便部隊用として利用されました。このような歴史的背景を経て接収が解除された後、三菱合資会社は再びこの建物を事業に活用しようとしたものの、より大規模な貸事務所の必要性が高まったため、1971年から取り壊しが始まりました。そして、1973年には三菱ビルヂングが新たに完成しました。

建築概要

三菱本館の設計者には桜井小太郎が務め、その責任者として藤村朗が参加しました。設計や工事の過程は、当時の最新技術を駆使したものであり、立地条件や周囲の環境とも調和したスタイリッシュな建物として、丸の内のシンボルとなりました。

このように、三菱本館は単なるオフィスビルではなく、日本の経済史と建築史において重要な位置を占める存在だったのです。建物は長年にわたり、人々に愛され、その姿は多くの人々の記憶に残っています。日本の近代化を象徴する建築物として、今でも多くの人に語り継がれています。

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