三遊亭歌奴 (3代目)

落語家、三代目三遊亭歌奴は、本名を平田昭宏といい、1941年7月18日に生を受けました。高座における出囃子には「梅の栄」を用いていました。

その経歴をたどると、まず東京都立一橋高等学校を卒業しています。落語の世界への第一歩を踏み出したのは1959年5月のことで、二代目三遊亭歌奴の門を叩き、前座名は「どん栗」を名乗りました。師事した二代目歌奴は、後の三代目の襲名とも深く関わる存在となります。

1963年5月には、柳家小きんと共に二ツ目に昇進を果たし、この機会に前座名から「歌雀」へと改名します。二ツ目として研鑽を積んだ後、1973年9月には、林家木久蔵（現：木久扇）、三遊亭好生、桂文平、四代目三遊亭歌笑、三遊亭生之助、橘家三蔵、柳家小きん、柳家さん弥、金原亭桂太といった、多くの同期と共に真打に昇進しました。

真打昇進から約二年後の1975年5月、歌雀は重要な決断をします。それは、大師匠そして自身の師匠である二代目歌奴がかつて名乗っていた由緒ある名跡、「三遊亭歌奴」を三代目として襲名することでした。これにより、師弟二代にわたる名跡の継承が実現しました。

その後も落語家として活動を続けましたが、2004年4月6日、肝臓がんのため、惜しまれつつもこの世を去りました。享年62歳でした。生涯を通じて、本名：平田昭宏、前座名：どん栗、二ツ目名：歌雀、そして真打名：三代目三遊亭歌奴として、落語界にその足跡を残しました。その芸や人柄は、今なお多くの人々に記憶されています。


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