三遊亭萬橘 (4代目)

四代目 三遊亭萬橘：落語界を彩る実力派

1979年、愛知県豊川市生まれの四代目三遊亭萬橘は、五代目円楽一門会に所属する人気落語家です。愛称は「落語の怪人」。その異名は、持ち前の気迫と独特の芸風から生まれたものでしょう。本名の中村彰伸さんは、法政大学在学中に落語の魅力に開眼。卒業を前に六代目三遊亭圓橘に入門、その厳しい指導の下、研鑽を積んできました。師匠からは「猫背で出っ歯」と評されたものの、並々ならぬ情熱を見込まれたといいます。

輝かしい経歴と数々の受賞

萬橘さんの芸歴は輝かしいものがあります。2003年の入門から順調にキャリアを積み重ね、前座時代を経て二ツ目、そして2013年には真打に昇進。四代目三遊亭萬橘を襲名しました。数々の賞を受賞しており、国立演芸場主催「花形演芸大賞」では、銀賞1回、金賞4回という輝かしい実績を誇ります。その他にも、「さがみはら若手落語家選手権」や「伝統芸能祭り グランドチャンピオン大会」など、様々な大会で優勝・受賞を果たしています。これらの受賞歴は、彼の高い実力と才能を証明しています。

「にっぽり館」主宰：落語文化の発展に貢献

萬橘さんは、2019年には林家たけ平さんと共に、東京・谷中に落語の寄席「にっぽり館」をオープンしました。この寄席は、地域に根ざした演芸文化の拠点として、多くの観客を魅了しました。しかし、2022年には再開発のため一旦閉鎖。その後、2023年に上野桜木で再開を果たし、落語文化の発展に貢献し続けています。

多彩な活動：高座の枠を超えた表現

萬橘さんの活動は落語高座にとどまりません。彼は、義太夫を竹本綾之助(四代目)に師事するなど、幅広い音楽的素養も持ち合わせています。また、テレビやラジオへの出演、ポッドキャスト番組の配信など、メディアにも積極的に登場。落語の魅力をより多くの人に伝える活動も積極的に行っています。一方、落語高座のWeb配信は原則として拒否しており、高座の生々しさ、臨場感を重視する姿勢がうかがえます。2020年には、新型コロナウイルスの影響で客わずか2名の中、新宿末廣亭のトリを務めたというエピソードも有名です。演目は「火焔太鼓」でした。

個性豊かなキャラクターと趣味

萬橘さんの個性は、彼自身がデザインに関わったきつつきをモチーフとしたキャラクターにも表れています。このキャラクターは、チラシや手ぬぐいなどに使われ親しまれています。また、趣味はボクシング観戦、読書、動物園と多岐に渡り、その幅広い興味関心が芸にも活かされているのではないでしょうか。

今後の活躍に期待

四代目三遊亭萬橘は、落語家として、そして「にっぽり館」の主宰者として、落語界に大きく貢献しています。今後も、彼の持ち前の才能と情熱で、ますます多くの観客を魅了し、落語界を盛り上げていくことでしょう。彼の今後の活躍に期待せずにはいられません。

主な経歴
2003年7月：六代目三遊亭圓橘に入門
2006年10月：二ツ目昇進
2013年3月1日：真打昇進、四代目三遊亭萬橘を襲名
2019年4月：「にっぽり館」オープン
2023年5月：「にっぽり館」上野桜木にて再開

受賞歴
第6回さがみはら若手落語家選手権 優勝
第6回伝統芸能祭り グランドチャンピオン大会 グランプリ受賞
読売杯争奪 激突！二ツ目バトル 優勝
国立演芸場主催「平成25年度 花形演芸大賞」銀賞
国立演芸場主催「平成26年度・27年度・28年度・29年度 花形演芸大賞」金賞
* 平成28年度 彩の国落語大賞 受賞

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