三重交通神都線

神都線の概要

神都線（しんとせん）は三重県伊勢市に位置していた三重交通の路面電車の一つで、1961年に廃線となるまでの多くの歴史を持っていました。伊勢市は伊勢神宮のある「神都」として知られ、神社への参拝客や観光客の輸送に重要な役割を担っていました。

路線の構成

神都線は、主に3つの路線で構成されていました。これには、内宮へ向かう「内宮線」（約6.8km）、観光地である二見浦へ向かう「二見線」（約6.6km）、そして中山と二軒茶屋間を結ぶ「中山線」（約0.6km）が含まれます。全体の路線長は約14.0kmで、直流600Vでの電力供給が行われていました。

運行の歴史

神都線は1903年に開業し、伊勢市とその周辺地域の交通手段として発展しました。当初、宮川電気が運営しており、数年後に伊勢電気鉄道に社名を変更しました。その後、徐々に路線を拡大し、最盛期には神宮への参拝客を効率よく輸送していました。特に、伊勢市駅から内宮前までの所要時間は21分ほどで、短時間でアクセスできる利便性がありました。

右側通行の特徴

神都線の特異な点として、右側通行が採用されていたことが挙げられます。これは、参拝客が外宮から内宮へ向かう際の利便性を考慮した結果でした。運転上の勘違いを防ぐために、他の区間でも右側通行が基本にされていました。

廃止とその後

しかし、昭和36年の1961年1月、神都線は全路線が廃止され、代わりにバス路線へと転換されました。これにより、地域の交通は大きな変化を迎えました。神都線のバスは、長年にわたり地域住民や観光客の移動手段となっています。また、神都バスとして運行されるバスも存在し、廃線後も当時の雰囲気を感じることができるものとなっています。

終わりに

神都線は、伊勢市の歴史の一部であり、地域の人々に長らく親しまれていました。今もなおその名残はバス路線や観光客の動線に影響を及ぼしており、伊勢市の文化や歴史を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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