三陸鉄道36-700形気動車

三陸鉄道36-700形気動車

三陸鉄道の36-700形気動車は、同鉄道の普通列車用に設計された気動車である。この車両は、主に新潟トランシスによって製造され、三陸鉄道において初めての簡易バリアフリー車両でもある。

背景

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、いわゆる東日本大震災は、多くの地域に大きな損害を与えた。この震災により、三陸鉄道の南リアス線にある盛駅に留置中だった車両が津波の影響を受け、使用不能となってしまった。このため、三陸鉄道では代替となる気動車が必要とされ、2013年に3両（36-701～703）が新たに導入された。

導入と運用開始

2013年4月3日、盛駅から吉浜駅間の営業運転が再開された際に、36-700形気動車がその運用を開始した。今回導入された3両は、クウェート国からの支援を受けており、車両の側面には感謝の意を示す言葉がアラビア語、英語、日本語の3言語で描かれている。このような国際的な支援は、震災からの復興を象徴する取り組みの一環と言える。

特徴的な設備としては、バリアフリー対応の洋式トイレが設置されており、これにより高齢者や障害者、そしてファミリー層など、幅広い利用者が安心して利用できるよう配慮されている。

さらなる増備

さらに、2014年4月には全線運転の再開に伴い、北リアス線向けに追加の3両（36-704～706）が新造され、これにより運行体制がさらに強化された。また、2018年11月と2019年3月には、JR山田線からの引継ぎにより、リアス線の延伸用として8両（36-711～718）が新たに導入され、総数は14両にまで増加した。

まとめ

36-700形気動車は、震災を乗り越え、地域の復興や交通の便宜を図る重要な存在である。その優れたバリアフリー仕様や国際的な支援は、地域の人々にとって心強い後ろ盾となっている。三陸鉄道を利用する際、この車両の存在を知っておくことは、より良い旅のひとつの手助けとなるだろう。

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