三陸鉄道36-Z形気動車

三陸鉄道36-Z形気動車（さんりくはまかぜ）

三陸鉄道に属する36-Z形気動車は、愛称「さんりくはまかぜ」として、北リアス線の宮古と久慈を結ぶ不定期列車として運行されています。この気動車は2014年4月6日に営業運転を開始し、地域の観光や輸送に貢献しています。

車両の背景

36-Z形気動車は、老朽化が進んでいた36-2100形「さんりくしおかぜ」の後継モデルとして設計されました。新潟トランシスにおいて2014年3月に1両が製造され、団体貸切や特別運行のために使用されることが多く、観光需要に応える形で設計されています。土休日には「お座敷列車北三陸号」という運行名で登場し、冬季には「こたつ列車」としても人気を博しています。これらの運行は、定期列車の36-700形と連結させることで、柔軟な運用を実現しています。

車両データと仕様

36-Z形気動車は、全長が20,500mm、全高が4,042mm、全幅が2,928mmという大型の車両です。自重は34.5tで、定員は48人。搭載されているエンジンはDMF13HZで、出力は330PSです。ブレーキには電気指令式空気ブレーキが採用されており、安全の確保に努めています。また、変速機はTACN-22-1613で、変速1段および直結2段の自動切替方式を採用し、運行の効率性も高めています。最高速度は95km/hで、多様な旅客輸送に対応しています。

車内の設計と設備

車両の内装は「三陸の技　まるごと博物館」というテーマで統一され、岩手県の古民家の雰囲気を取り入れています。車内には、岩手の伝統工芸が随所に施されており、地域の文化を感じさせます。さらに、大型トイレやドアチャイムなどが設置され、バリアフリーの仕様にも配慮されています。旅行者は、快適に過ごしながら、三陸の美しい景色や文化に触れることができます。

統合と運行の変遷

2019年には、JR山田線宮古 - 釜石間の経営移管に伴い、リアス線の開業が行われ、宮古運行本部に配置が統合されました。これにより、36-Z形気動車は全区間にわたって共通運用が可能となり、利便性が向上しました。多様な運行形態により、地域の観光振興や交通網の整備に寄与しています。

三陸鉄道36-Z形気動車は、地域の魅力を再発見するための貴重な手段となっており、乗客にとって忘れられない思い出を提供しています。

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