上下

上下（じょうげ）

上下という用語は、物体の高低を表すために使われ、特に重力の存在する環境での物体の位置に関連しています。重力の方向、すなわち物体が落下する方向を「下」といい、その反対に位置する方向を「上」と定義します。これを基本に、ヒトの身体に関する場合、心臓を中心に考えると、頭の位置が上で足の位置が下となります。

物体については、上下だけでなく、物体の足側の面を指して「下側」と称することもあります。この用語は無重力状態の場合でも使えるものの、上下の概念自体は無重力状態では正確には適用できません。そのため、上下から派生した前後（目の向きと背中の向き）や左右（横）との関係が成り立たなくなることもあるのです。さらに、平面や立体の視覚的表現においては、上下（高さ）と前後（奥行き）の概念が90度逆転してしまう場合もあります。たとえば「右上」という表現が、前後と平行に設定したときの方向を指します。その逆に、上下と平行に置いた場合には「右前」となります。

移動に関して言えば、上に向かう動作は「上がる」や「昇る」と表現され、逆に下への移動は「下がる」や「降る」、「落ちる」となります。

用例

文字や図版、写真を観る際には、上下の概念が自然に生じます。通常、閲覧者から見て手元に近い側が下、遠い側が上と判別されます。文書を表示する場合、例えば左から右へ横書きすると、上下の配置が以下の図のようになります。

```
上
↑
　左←○→右
↓
下
```

この場合、図面が垂直な面でも傾いた面でも横書きでも、または縦書きの場合でも、上下の方向は変わらず一貫していることが多いです。ただし、縦書きの際には現位置の判定が異なるため、「右」に変わる場合もあります。

表示面が正しい向きで見ることが重要で、視線をその面に向け、頭部の上方向をその面の平面上に投影した方向に向ける必要があります。媒体が紙など柔軟なものであれば、自分の向きに応じて調整すればよいですが、方向が固定されている場合は視線を適切に合わせることが求められます。

文字一つ一つにも定義された上下の方向が存在し、特定の方向に整列されています。上下が逆転すると、異なる文字になることもあるため、それを統一することが重要です。たとえば、「6」と「9」や「甲」と「由」などが例として挙げられます。

例外

手書きの寄せ書きや血判状は、必ずしも上下が一致しないことがあります。また、ダイヤル式のスイッチでは、ダイヤル上の文字の配置が上下を基に決まるため、取扱いには注意が必要です。

学問における上下

生物学では、器官の位置関係を表記する際に六方の名称をあまり使わず、頭側や尾側といった用語が用いられます。解剖学では、咽頭の部位のように具体的な部位に上・中・下を対応させることが一般的です。

また、遺伝子の転写に関しては、転写の方向を上下流として言及します。数学においては、演算が行われる範囲を示す際に使われることがあります。

社会的観点から見た上下

交通の分野では、首都に向かう方向を上り、逆にその反対側を下りと称します。日本の地名での上下は、河川の水源側を上流と表現し、海側を下流とします。舞台では観客から見て右側を上手、左側を下手とし、観察する上下の関係が異なる場合があります。

また、価値判断においても、優れた者を「上」、劣った者を「下」とする切り口で表現することが多いです。社会的地位を基準とする上下の概念も文化的な側面を反映しています。

このように、上下には多方面からの解釈や用語があり、私たちの生活や思考に深く影響を与えているのです。

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