上佐鳥町

概要

上佐鳥町（かみさどりまち）は、群馬県前橋市に属する一区域です。郵便番号は371-0816と定められています。その範囲はおよそ1.64平方キロメートルに及びます（2013年時点のデータ）。

地理

この地域は、前橋市の南部にあたる場所に広がっています。具体的には、利根川に流れ込む端気川の右岸に位置し、前橋台地の南端部を占める地形となっています。

歴史

上佐鳥の地名は非常に古く、江戸時代には既に存在が確認されています。当時の領主は前橋藩でした。もともとは、現在の前橋市下佐鳥町にあたる下佐鳥村と合わせて「佐鳥」という一つの大きな村を形成していました。

近代に入ってからも、この地域の行政区分は変遷を遂げました。
1889年（明治22年）4月1日の町村制施行に伴い、上佐鳥村は六供村や市之坪村、下佐鳥村、朝倉村、後閑村、宮地村、橳島村といった村々、および紅雲分村、宗甫分村、前代田村、天川原村の一部と合併し、東群馬郡上川淵村の一部となりました。
その後、1896年（明治29年）4月1日に行われた郡の再編成（東群馬郡と南勢多郡の統合）により、勢多郡に所属を変更しました。
1954年（昭和29年）4月1日には、上川淵村は元総社村、下川淵村、芳賀村、桂萱村、群馬郡東村、総社町といった近隣の1町5村とともに前橋市へと編入されることになりました。これにより、地名は前橋市上佐鳥町と正式に定められました。

また、この町は教育や公共施設の歴史とも深く関わっています。
1952年（昭和27年）には、後に前橋工科大学へと発展する前橋市立工業短期大学が当地に開学しました。
1980年（昭和55年）には、市民のスポーツ・文化活動の拠点となる前橋市民体育館が当地に建設されました。
1997年（平成9年）には、前橋市立工業短期大学が改組・改称され、現在の前橋工科大学が誕生しました。
近年では、2021年（令和3年）3月31日に町内にあった前橋市立春日中学校が閉校し、その学区は明桜中学校へ引き継がれています。春日中学校の跡地は現在も当地に存在しています。

地名の由来

「さどり」という地名の語源にはいくつかの説がありますが、かつては「作鳥」という漢字表記も用いられていたと伝えられています。これは、地名がどのように生まれ、時代とともに変化してきたかを示す興味深い事例と言えるでしょう。

交通

上佐鳥町内には、残念ながら鉄道駅は設置されていません。
道路網については、国道は通過していませんが、主要な県道が複数通っています。具体的には、群馬県道11号前橋玉村線と、群馬県道・埼玉県道13号前橋長瀞線がこの町を通っており、地域の交通を支える重要な役割を果たしています。

主な施設

町内には、地域住民の生活や活動を支える様々な施設が存在します。代表的なものとして、高等教育機関である前橋工科大学、閉校した前橋市立春日中学校の跡地、市民のスポーツ活動に利用される前橋市民体育館があります。また、郵便業務を担う前橋佐鳥郵便局や、地域の治安維持にあたる前橋東警察署上佐鳥駐在所なども設置されています。これらの施設は、上佐鳥町の機能や特色を形成する上で欠かせない存在です。

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