上原啓史

上原 啓史（うえはら ひろふみ）

1947年生まれ。日本の地方公務員であり、都市の緑化に深く関わる造園家としても知られる人物です。長年にわたり横浜市の公園緑地行政を牽引し、その専門知識と実行力をもって数々の革新的な取り組みを実現しました。

上原氏は横浜市役所に入庁して以来、市の公園や緑地の計画、整備、管理運営といった行政全般にわたり、多岐にわたる業務に携わりました。そのキャリアを通じて、都市の緑が持つ重要性を深く認識し、市民生活の質の向上に貢献する緑豊かな環境づくりを目指しました。

特に、横浜市の公園緑地行政において、全国に先駆けた取り組みを数多く推進したことで知られています。市理事や環境創造局長といった要職を歴任し、行政の意思決定の場で中心的な役割を果たしました。また、行政のみならず、公益財団法人かながわトラストみどり財団の評議員、一般社団法人横浜市造園協会の専務理事、公益財団法人都市緑化機構の監事など、関連する様々な組織においても重要なポストを務め、都市緑化分野全体の発展に貢献しました。

上原氏の業績の中でも特筆されるのは、公民連携の手法を取り入れた山下公園レストハウスの運営推進です。これにより、公的な空間に民間の活力を導入し、利用者の満足度向上や施設の魅力向上を図りました。また、都市空間の新たな可能性を切り拓いた日本初の立体都市公園であるアメリカ山公園の整備においても、中心的な役割を担いました。これは、建築物と一体的に緑地を整備する革新的な試みであり、その後の都市における緑化手法に大きな影響を与えました。

さらに、2017年に開催された第33回全国都市緑化よこはまフェアでは、その企画・準備・運営において主導的な役割を果たしました。この大規模なイベントを通じて、横浜市の緑豊かな魅力を広く発信し、都市緑化への関心を高めることに尽力しました。

現在、公益財団法人横浜市緑の協会の理事長を務め、長年培ってきた経験と知識を活かし、引き続き横浜市の緑を守り育む活動に貢献しています。上原氏のキャリアは、一地方自治体の公務員が、専門性を追求し、他の組織とも連携しながら、都市の環境改善と市民生活の質の向上にどれほど貢献できるかを示す好例と言えるでしょう。彼の取り組みは、都市計画、造園、環境行政といった分野において、今後の指針となる多くの示唆を与えています。

もう一度検索