横浜市役所

横浜市役所の概要

横浜市役所は、神奈川県横浜市の執行機関としての役割を果たす重要な施設であり、2020年1月31日に新たに完成した8代目の庁舎が新たな拠点として位置づけられています。この新しい市役所は、横浜市の中心である中区本町にあり、優れた耐震性と環境配慮を特徴としています。約6400人の市職員がこの庁舎で業務を行っており、市民に対し多様なサービスを提供しています。

新市庁舎の建設経緯

先代の庁舎は1959年に竣工し、横浜開港100年を記念して設計されたものでした。しかし、市の成長に伴い旧庁舎では部局が収容しきれなくなり、別の民間ビルに分散する事態に陥りました。2007年から2009年にかけて耐震補強工事が行われましたが、2011年の東日本大震災により、市庁舎の耐震性や危機管理の重要性が浮き彫りになりました。そのため、全面移転を含む新市庁舎の整備構想が練られ、2013年に基本構想が策定されました。

建設に際しては、設計・施工を一括するデザインビルド方式が採用され、竹中工務店と西松建設の共同企業体が選ばれました。この方法により、短期間での設計・施工が可能となり、旧庁舎の機能を維持しつつ新庁舎が完成しました。

新庁舎の特徴

新市庁舎は地上32階、地下2階の超高層ビルであり、高さ約155メートルを誇ります。新庁舎は再開発が進む北仲通地区に位置し、周囲には飲食店や商業施設が入居した低層階もあり、市民が集い交流できる場となっています。1、2階には「ラクシス フロント」という商業スペースが設けられ、多彩な飲食店が営業しており、イベントスペースも併設されています。さらに、アトリウムにはやかて川やみなとみらい地区の美しい景観が広がっており、訪れる市民を魅了しています。

市役所としての機能は3階以上のフロアに配置されており、中層部には議会機能が置かれています。議場内には親子が同時に利用できる「親子傍聴室」が設けられ、市民が意見を発信しやすい環境が整っています。

環境対策と防災への取り組み

新市庁舎では、耐震性を高めるために中間免震層が設けられ、災害時でも機能を維持できるよう工夫されています。また、環境負荷の低減にも重点が置かれ、外気を取り入れるダブルスキンの外皮や自然換気を取り入れた設計がされています。これにより、エネルギー効率の良いオフィス環境が実現されています。

市役所の呼称と周辺の再開発計画

横浜市役所としての呼称は、2020年の移転を機に統一され、市民や訪問者にとって親しみやすい名称となりました。市庁舎付近での開発は続いており、旧7代目庁舎の跡地では新たな商業・文化施設の再開発が計画されています。「MINATO-MACHI LIVE」として知られるこのプロジェクトは、エンターテインメントやイノベーションの拠点を目指しています。

このように、横浜市役所は単なる行政機関に留まらず、多くの市民や訪問者にとって魅力的な交流の場として進化を続けているのです。

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