上原行雄

上原行雄：法哲学の泰斗、その学問的足跡

上原行雄（1932年2月27日 - 2017年7月1日）は、日本の法哲学界を牽引した重要な人物です。一橋大学名誉教授として、長年にわたり法哲学の研究と教育に尽力しました。彼の学問的背景、業績、そして後進への影響について詳しく見ていきましょう。

学歴と職歴

上原氏は、1950年に東京都立北園高等学校を卒業後、東京大学に進学し、1955年に法学部第2類、翌年には法学部第1類を卒業しました。その後、三菱商事に勤務した経歴を持ちますが、学問への情熱を捨てきれず、1960年に東京大学文学部哲学科を卒業。さらに研究を深めるため、同大学大学院法学政治学研究科博士課程に進み、1966年に法学博士号を取得しました。博士論文のテーマは「モンテスキュウ法理論の方法論的基礎 -近代法思想の批判的研究への序説-」であり、早くもこの頃から、彼の法哲学に対する深い関心がうかがえます。

1966年からは、明治大学法学部で講師として教鞭を執り始め、助教授を経て、1972年に一橋大学法学部助教授に就任。1978年には教授に昇進し、1988年から1990年まで法学部長を務めました。1995年に一橋大学を定年退官し、同大学名誉教授の称号を得ています。退官後も甲南大学で教授として教鞭を執るなど、教育者としての活動を続けました。

また、裁判所書記官研修所、学習院大学、武蔵大学、東京教育大学、東京大学、慶應義塾大学、中央大学、郵政大学校、金沢大学など、数多くの教育機関で教鞭をとっており、幅広い層の学生に影響を与えました。文部省学術審議会専門委員なども歴任し、教育行政にも貢献しています。

学術活動と社会貢献

上原氏は、1991年から1997年まで第15期・第16期日本学術会議会員を務め、1994年からは基礎法学研究連絡委員会委員長として、日本の法学研究の発展に尽力しました。1975年には日本法哲学会理事に就任し、学会の運営にも携わっています。

門下生

上原氏の指導を受けた門下生の中には、高橋文彦（明治学院大学法学部教授）、櫻井徹（神戸大学大学院国際文化学研究科 国際文化学部教授）、大山礼子（駒澤大学法学部 政治学科教授）など、著名な研究者が多数います。彼らの活躍は、上原氏の教育者としての卓越した能力を物語っています。

上原行雄は、法哲学の研究者として、教育者として、そして社会貢献者として、多岐にわたる分野で大きな足跡を残しました。彼の学問に対する情熱と、後進育成への貢献は、これからも法学界に影響を与え続けるでしょう。

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