上参郷祐康

上参郷祐康の業績と影響

上参郷祐康（かみさんごう ゆうこう、1935年4月1日 - 2018年4月16日）は、邦楽の研究を通じて日本音楽界に多大な影響を与えた著名な音楽学者です。彼は北海道小樽市で生まれ、地域の学校で基礎教育を受けた後、1959年に東京大学の文学部国文科を卒業しました。大学時代から日本の伝統音楽に深い関心を抱き、邦楽の奥深さを探求する道を選びました。

学術的経歴

大学卒業後、上参郷は武蔵野音楽大学で助教授として教鞭を執ることになりました。1976年には、邦楽に関する専門書を共著で執筆し、その後も数々の研究業績を発表しました。邦楽と日本音楽史を専門として、1984年には東京芸術大学で楽理科の教授に就任しました。この大学での教授職では、彼の研究と教育が日本の音楽学界における実績として高く評価され、学生たちからも深い敬意を集めていました。さらに、2001年には同学部の副学長としてもその才能を発揮しました。

邦楽への貢献

上参郷の研究対象として特に注目を集めたのは尺八楽や平家琵琶、また宮城道雄に関することです。彼の学術的成果は、日本音楽中辞典や日本音楽大事典といった重要な辞典の編集・執筆においても伺え、邦楽の分野において大きな貢献を果たしました。これらの辞典は、今後の研究者や学生の貴重な参考資料となっています。

また、上参郷は多くの書籍を著作し、編書、共著としても活躍しました。彼の代表的な著書には、「平家琵琶－語りと音楽」（ひつじ書房、1993年）、宮城道雄作品解説全書（邦学社、1976年）、新編･日本音楽中辞典、そして日本音楽大事典などがあります。これらの書籍は、邦楽を理解し深く体験するための重要な資料として今日でも広く利用されています。

最後の年

2002年に東京芸術大学を定年退官した彼は、翌年よりくらしき作陽大学で教授として再スタートを切りますが、その後2005年に退職しました。音楽に対する探求心と教育への情熱は生涯にわたり衰えることがなく、彼の研究は現在も多くの人々に影響を与え続けています。

上参郷祐康は、2018年に惜しまれつつこの世を去りましたが、彼が築き上げた学問の基盤は、次世代の音楽家や研究者にとっても大きな指針となっています。彼の生涯を通じての貢献は、今後も日本音楽界において記憶され続けることでしょう。

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