琵琶

琵琶とは

琵琶（びわ、英語: pipa）は、東アジアに起源を持つ弦[[楽器]]で、有棹弦[[楽器]]の一つです。弓を使わず、主に弦をはじく形式で音を出す撥弦[[楽器]]に分類されます。この楽器は、古代には四弦系（曲頚琵琶）と五弦系（直頚琵琶）が存在しました。五弦系は現在では演奏されることが少なく、主に四弦系が中国や日本で広まっています。また、ベトナムにも明代に伝わった四弦の琵琶があり、ダン・ティ・バという名前で知られています。広義には、阮咸（げんかん）や月琴などのリュート系の弦[[楽器]]も琵琶に含まれます。

起源と歴史

琵琶の起源は、古代ペルシアのサーサーン朝にさかのぼると言われ、その遺跡からは琵琶に似た楽器の浮彫り装飾が発見されています。その中でも「バルバット」と呼ばれる楽器が琵琶やウード、リュートの祖先とされています。特に中国には、前漢の時代に伝来したと考えられています。中国での琵琶の最古の現存品は、正倉院に残されている奈良時代の琵琶です。これらの楽器は、当時の楽譜とともに歴史的価値を持っています。

日本の琵琶

琵琶は7世紀から8世紀にかけて中国から日本に伝わり、その後も多くの種類が生まれました。代表的なものとして、五弦琵琶や楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶などがあります。これらの琵琶は、それぞれ独自の音楽スタイルを持ち、「琵琶楽」として総称されます。

五弦琵琶

奈良時代に中国から伝来した五弦琵琶は、正倉院に保存されている唯一の古代楽器です。この琵琶は、南インド生まれの紫檀を使用し、それに螺鈿細工が施されています。演奏技術が難しいため、現在ではあまり見られません。

楽琵琶

楽琵琶は、雅楽の中で使用される琵琶の一種で、唐代の形状を今に伝えています。独奏曲も存在し、かつては宮廷音楽として楽しまれました。

平家琵琶

平家琵琶は、楽琵琶を基にした小型の楽器で、平家物語の音楽に伴奏されることが特徴です。鎌倉時代初期に始まり、仏教音楽や平曲と深い関わりがあります。

盲僧琵琶

盲僧琵琶は仏教儀式に用いられ、奈良時代から存在していました。特定の流派に基づき、様々な形が見られ、特に細身のものは「笹琵琶」と呼ばれます。

薩摩琵琶

16世紀に薩摩で発展したこの琵琶は、武士の士気を高めるために作られ、堅牢な構造が特徴です。武士だけでなく町民にも広がり、明治時代には多くの名手が誕生しました。

筑前琵琶

筑前琵琶は、明治時代に新しい音楽として発表され、人気を博しました。比較的穏やかな曲風が特徴で、広く親しまれています。

現代の琵琶

琵琶は、古典楽曲だけでなく、現代[[音楽]]にも多く取り入れられています。特に薩摩琵琶は打[[楽器]]的な効果が強く、武満徹の作品などでも使用されています。東京を中心に新しい琵琶音楽が広まっており、伝統が受け継がれています。各地域で異なる琵琶のスタイルがありますが、音楽表現の幅を広げる役割を果たしています。

まとめ

琵琶は、音楽と文化があふれる楽器であり、各地域で独自の発展を遂げています。現代においても、その魅力は色褪せることなく、多くの人々に愛されています。

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