上台峠

上台峠の概要

上台峠（うわだいとうげ）は、山形県新庄市赤坂と同県最上郡金山町上台を結ぶ峠です。標高は195メートルで、周囲には3つの小丘陵が並んでおり、これが「三坂峠」と呼ばれる所以となっています。峠の正確な位置は、金山町側に少し寄った丘陵上ですが、市町の境界は中央の丘陵にあります。

歴史的な役割

上台峠は江戸時代には羽州街道の一部として利用され、各藩の参勤交代の重要な通路としての役割を果たしました。1878年には、旅行作家のイザベラ・バードが新庄からこの峠を越えた際に見た金山の風景を絶賛しています。

1880年には、初代山形県令である三島通庸が交通の難所を改善する一環として上台峠の改良を行い、幅約7.2メートルの新しい道が開設されました。この改良により、人々の往来や物資の輸送が一層円滑になりました。翌1881年には明治天皇が東北行幸の際にこの峠を通過し、その記念として上台地区の旧近岡家には記念碑が残されています。

現在の状況

その後、奥羽本線の開通により、交通手段が鉄道に移行したため、上台峠を経由する道路交通は一時衰退を迎えました。戦後には新たに国道13号が作られ、こちらは元の上台峠を西側に迂回する形となるも、「上台峠」と呼ばれることがあります。

現在では、旧道は舗装されていない農道となっており、車両でも通行可能ではありますが、道幅が狭いため四輪車同士のすれ違いは困難です。このように、上台峠は歴史的な背景を持ちながら、現在も利用が続けられている重要な地です。

参考文献

• - 藤原優太郎「羽州街道をゆく」無明舎出版、2002年 ISBN 4-89544-320-5

外部リンク

• - 金山町 - 森の便り vol,13 - 上台地区

関連項目

• - 日本の峠一覧
• - 東北地方の峠一覧
• - 羽州街道

上台峠は単なる交通の道にとどまらず、その地理的・歴史的重要性から地域の文化や歴史を物語る場所でもあります。訪れることで、過去と現在が交差するこの地の魅力を感じることができるでしょう。

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