上和田有機米生産組合

山形県東置賜郡高畠町に活動拠点を置く上和田有機米生産組合は、こだわりの有機栽培米を手掛けることで全国的に知られる生産者団体です。食味の良さと環境に配慮した農業の実践が高く評価されており、日本の米作りの品質向上と持続可能性に貢献しています。

設立と沿革

当組合は1986年（昭和61年）に発足しました。以来、有機栽培を中心とした米作りに真摯に取り組み、その品質は国内外の評価機関で多くの栄誉を獲得しています。

特に、米・食味分析鑑定コンクール：国際大会においては、設立初期から継続的に優れた成果を上げてきました。

2002年（平成14年）の第4回大会では、奈良県奈良市で開催され、組合員である皆川博之氏がコシヒカリで総合部門金賞を受賞したほか、猪野誠氏もコシヒカリで特別優秀賞に輝きました。品種部門では、吉田繁夫氏がコシヒカリで、二宮儀隆氏がひとめぼれでそれぞれ特別優秀賞を獲得するなど、複数の個人が優秀な成績を収めています。
翌2003年（平成15年）の第5回大会は、地元山形県東置賜郡川西町での開催となり、上和田有機米生産組合として総合部門金賞（品種コシヒカリ）を受賞。さらに、品種部門のコシヒカリ部門および有機栽培部門でも組合として金賞に輝き、組織全体の技術力の高さを証明しました。
その後も受賞は続き、2005年（平成17年）の第7回大会（千葉県千葉市）では、遠藤五一氏がコシヒカリで総合部門金賞、鈴木達夫氏がコシヒカリで特別優秀賞を獲得。品種別部門では、若手経営者部門で射場省吾氏がコシヒカリで、有機栽培部門で遠藤五一氏がコシヒカリで受賞しています。
2006年（平成18年）の第8回大会（福井県武生市）では、遠藤五一氏がコシヒカリで総合部門金賞、渡部京一氏がコシヒカリで特別優秀賞を受賞。品種別部門の若手経営者部門では、猪野国雄氏がコシヒカリで特別優秀賞を獲得しました。
2007年（平成19年）の第9回大会（島根県奥出雲町）では、遠藤五一氏が最高栄誉の一つであるダイヤモンド褒賞を受賞しました。また、渡部京一氏がコシヒカリで総合部門特別優秀賞を受賞しています。
2008年（平成20年）の第10回大会（山形県南陽市）では、渡部京一氏がコシヒカリで総合部門金賞を受賞しました。
* 2010年（平成22年）の第12回大会（島根県松江市）では、遠藤五一氏が環境農業大賞を受賞。また、渡部京一氏がつや姫で地域品種栽培部門地域部門特別優秀賞を受賞しており、近年開発された品種での成果も見られます。

これらの輝かしい受賞歴に加え、2010年（平成22年）度には「第15回環境保全型農業推進コンクール」において、その取り組みが認められ大賞（農林水産大臣賞）を受賞しました。これは、単に美味しい米を作るだけでなく、環境への負荷を低減する持続可能な農業を実践していることへの高い評価と言えます。

組合長と組織概要

当組合の組合長を務めるのは、米・食味分析鑑定コンクールにおいて多くの実績を持ち、特にダイヤモンド褒賞受賞者の中でも特に優れた栽培技術を持つ者に贈られる『名稲会』の会員でもある遠藤五一氏です。氏の指導力と先進的な栽培技術が、組合全体の品質向上に大きく貢献しています。

組合は、高畠町内の各地区から集まった47名の組合員で構成されています。具体的には、上和田地区に11名、海上・小倉地区にそれぞれ6名ずつ、元和田・馬頭地区に8名、下和田地区に9名、佐沢地区に5名、そして高畠・糠野目地区に2名が所属しており、地域全体で協力しながら高品質な米作りに取り組んでいます。

メディアでの紹介

上和田有機米生産組合、特に組合長の遠藤五一氏は、その優れた取り組みや哲学が注目され、各種メディアでも紹介されています。例えば、テレビ東京系列のドキュメンタリー番組「日経スペシャルカンブリア宮殿」では、「信念の米作り～日本一うまい米を作る男～」と題された2007年11月26日放送回に出演し、その米作りへの情熱と技術が広く紹介されました。

上和田有機米生産組合は、長年にわたり有機栽培米の生産にこだわり、数々の権威ある賞を受賞することで、その品質と環境に配慮した農業技術の高さを実証してきました。名稲会会員である組合長の下、組合員一丸となって取り組む姿勢は、日本の農業の未来を考える上でも重要な事例と言えるでしょう。

もう一度検索