上垣外正己

上垣外 正己：高分子化学の先駆者

上垣外正己（かみがいと まさみ）は、1965年生まれの高分子化学者であり、日本において非常に重要な研究を行っている人物です。現在、名古屋大学の大学院工学研究科応用科学専攻の教授として、次世代の高分子材料の開発に尽力しています。彼の学位は京都大学から授与された工学博士で、1993年に取得しました。

略歴

上垣外は1988年3月に京都大学工学部高分子化学科を卒業し、1993年には同大学の大学院工学研究科高分子化学専攻の博士後期課程を修了しました。その後、日本学術振興会の特別研究員として研究活動を開始しました。

1995年4月には、京都大学工学部高分子化学科で助手として教職を開始し、研究を続けました。1997年にはスタンフォード大学化学科で客員研究員としての経験を積んだ後、1999年には京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻の助教授に就任しました。

2003年からは名古屋大学大学院工学研究科応用化学専攻の助教授を経て、2004年には教授に昇進しました。この年は、上垣外が岡本佳男教授の後任として名古屋大学の教授となった重要な年でもあります。

研究活動

上垣外の研究は、特に高分子の精密設計に関連した革新に集中しています。彼は、遷移金属錯体触媒を用いたリビングラジカル重合の創始者の一人とされており、これは高分子合成の分野において革命的な技術となりました。1990年代にルテニウム錯体を触媒とした新しい重合系を発見したことで、彼の研究は高分子合成界に大きな影響を与えました。

この技術によって、従来の重合方法では不可能だった精密な高分子の合成が可能となり、様々な応用が開かれることになりました。その後も彼はリビングラジカル重合の可能性を広げるための研究を続け、多くの成果を上げています。これにより、高分子化学の世界で彼の名は広く知れ渡ることになりました。

受賞歴

上垣外は、彼の業績を認められ、2001年にはアーサー・K・ドーリットル賞（アメリカ化学会）を受賞しました。この賞は、化学の分野での優れた業績を称えるものであり、彼の研究が国際的にも評価されていることを示しています。

結論

上垣外正己は、その革新的な研究を通じて高分子化学の発展に多大な貢献をしており、教育者としても学生に多くの知識と経験を伝えています。彼の今後の活躍が高分子化学のさらなる進歩に繋がることが期待されています。

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