上大屋町

上大屋町（かみおおやまち）は、群馬県前橋市に属する地名です。この地域は、過去に勢多郡大胡町の大字として「上大屋」と呼ばれていました。郵便番号は371-0222であり、2013年時点での測定によれば、面積は約0.98平方キロメートルとなっています。

本地域の地理的特徴として、壮大な赤城山の南麓に位置している点が挙げられます。豊かな自然環境の中にあり、特に目を引くのは美しい湖沼である千貫沼の存在です。この沼は地域の景観に彩りを添えています。また、神沢川が町域を流れており、地域の水辺を形成しています。

上大屋の地名は、江戸時代には既に存在していたことが歴史資料から確認されています。この地は、長い歴史の中でたびたび領有者が変わるという変遷を経験しました。当初は大胡藩の領地であったとされますが、元和4年（1618年）には前橋藩の領地となりました。その後、明和5年（1768年）には幕府直轄領となり、さらに安永7年（1778年）に再び前橋藩領へ戻ります。そして天保14年（1843年）には旗本倉橋氏の領地となり、明治維新を経て最終的には前橋藩の管轄下へと移りました。このように頻繁な領有権の移行は、この地が持つ歴史上の位置づけを示唆しています。

近代に入ってからの行政区画の変遷は、以下の通りです。
1889年（明治22年）、市町村制の施行に伴い、上大屋は周辺の1町7村と合併し、群馬県南勢多郡大胡村の大字「上大屋」となりました。
1896年（明治29年）には、郡の統合により東群馬郡と南勢多郡が合併したことで勢多郡に所属が変更され、勢多郡大胡村大字上大屋となりました。
1899年（明治32年）、大胡村が町制を施行して大胡町が成立したのに伴い、勢多郡大胡町大字上大屋となりました。
2004年（平成16年）の「平成の大合併」において、大胡町が宮城村、粕川村とともに前橋市に編入合併された結果、群馬県前橋市「上大屋町」として現在に至っています。

交通網について見ると、上大屋町内には鉄道路線や駅は存在していません。鉄道を利用する場合の最寄りの駅は、隣接する茂木町にある上毛電気鉄道の大胡駅となります。バス路線としては、デマンドバス方式の「ふるさとバス」が運行されており、赤城タクシーがその運行を担っています。道路に関しては、国道は通過していませんが、主要な県道が町の交通を支えています。群馬県道3号前橋大間々桐生線は町の北部を通過し、群馬県道74号伊勢崎大胡線は町の西部を縦断しており、地域内外への重要なアクセスルートとなっています。

町内には、国の管轄する施設として赤城少年院が設置されています。また、災害時の避難場所として、上大屋町が避難対象区域となった場合には、近隣の河原浜町に位置する前橋市立大胡東小学校が指定避難所と定められています。

もう一度検索