上山良子

上山良子：国際的な視点と豊かな経験を持つランドスケープアーキテクト

上山良子氏は、日本のランドスケープアーキテクトとして、国内外で高く評価されています。長岡造形大学名誉教授、長崎県アーバンデザイン会議アドバイザーといった要職を務め、その活動はランドスケープデザインの枠を超え、都市計画や環境デザインにも広がっています。

著名な家系と国際的なキャリア

上山氏は、実業家であった父、芸術家肌の母を持つ家庭に生まれ育ちました。その家系は織田家の御殿医にまで遡り、祖父は福澤諭吉に師事した人物です。こうした背景は、上山氏の国際的な視野と、多様な分野への関心の深さに影響を与えたと言えるでしょう。

上智大学外国語学部英語学科卒業後、スカンジナビア航空に勤務。その後、1968年の日本万国博覧会電気通信館の設計に携わるなど、早い段階からデザインの分野に携わっています。1974年から1976年にかけてはケック・クレーグ・デザイン研究所に勤務し、1976年にはカリフォルニア大学バークレー校環境デザイン学部ランドスケープ専攻大学院に進学。ローレンス・ハルプリン事務所（現C.H.N.M.B.アーバンデザイン及ランドスケープアーキテクチャー事務所）に勤務した経験も持ちます。1978年にはアメリカランドスケープアーキテクト協会（ASLA）全米最優秀学生賞を受賞するなど、輝かしい実績を残しました。

多彩な活動と受賞歴

1982年に帰国後、上山良子ランドスケープデザイン研究所を設立。東京造形大学、武蔵野美術大学などで非常勤講師を務め、後には長岡造形大学で教授、大学院教授、そして学長と要職を歴任しました。

その活動は多岐に渡り、日本ビソー長崎本社ランドスケープ、芝浦シーバンスランドスケープデザイン、長岡平和の森公園、長崎水辺の森公園、きたまちしましま公園など、数々のプロジェクトを手掛けています。これらのプロジェクトでは、建築業協会賞（BCS賞）、港区都市景観賞、日本建築美術工芸協会賞、グッドデザイン賞など、多くの賞を受賞。そのデザイン性の高さ、環境への配慮、そして地域社会への貢献が評価されています。また、100 HILLS 企画、Yes'89横浜博覧会SK駅舎など、大規模なプロジェクトにも関わっており、その手腕は高く評価されています。

教育と社会貢献

上山氏は教育にも熱心に取り組んでおり、長年にわたり多くの学生を指導。後進の育成にも貢献しています。さらに、美しいまちなみ懇談会、建築審議会、新首相官邸基本設計に関する有識者会議など、数々の委員を歴任し、日本の都市計画や景観形成に多大な貢献を果たしています。

出版物

上山氏は、ランドスケープデザインに関する著書や論文も多く発表しています。代表的な著作として、『LANDSCAPE DESIGN―場を創る』、『駅の新しい機能－広場化・情報化』、『街を内包する駅・空港』などが挙げられます。これらの著作は、ランドスケープデザインの理論や実践に関する貴重な知見を提供しています。

まとめ

上山良子氏は、国際的な視点と豊富な経験、そして類まれな才能を持つランドスケープアーキテクトです。その活動は、ランドスケープデザインの領域にとどまらず、都市計画、環境デザイン、教育など、多様な分野に広がり、日本の都市景観や社会の発展に大きく貢献しています。今後もその活躍から目が離せません。

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