上山2号墳

上山2号墳の概要

上山2号墳は奈良県の生駒郡平群町下垣内にあった古墳で、かつてはその独特な構造から興味を引く存在でした。この古墳は方墳であり、多くの古墳と同様に、その形状が特徴です。しかし、現在はその墳丘は失われています。

位置と周辺の古墳

上山2号墳は奈良県の西部、特に竜田川の西岸に位置する廿日山丘陵の最南部の緩やかな斜面に築かれていました。この地区は古代からの歴史的な臨場感を持っており、丘陵の北東には前方後円墳である上山1号墳が存在していました。また、南の裾には西宮1号墳と西宮2号墳もあり、古墳群としての価値が高いエリアです。

1989年から1990年にかけて行われた宅地造成の際の発掘調査によって、上山2号墳は発見されましたが、その結果、墳丘が消失していることが確認されました。これにより、古墳の構造を詳しく知る貴重な機会を逃したともいえるでしょう。

古墳の形状

上山2号墳は、台形状の方墳で、各辺の寸法は南辺が10メートル、北辺が7メートル、奥行きが9メートルでした。また、墳丘の周りにはコ字形の周溝が形成されており、幅は1.0から1.5メートル、深さは0.5メートルとなっています。この周溝は、墳丘を囲む形で跡形を残しています。

埋葬施設の特徴

古墳の中心をなす埋葬施設は、横口式石槨です。この石槨は南南東の方向に開口しており、その構造も特異です。石槨のサイズは長さ約2メートル、幅1メートル、高さは0.7メートル、羨道は長さ3メートル、幅1メートルとされています。残念ながら、中世に火葬墓として再利用されたため、調査の時点では石槨の大部分が破壊されていましたが、羨道部からは当時の遺物がいくつか発見されています。

この石槨は花崗岩系の石材で作られており、内部の仕上げは平坦に加工されています。床には厚さ0.2メートルの板石が敷かれていました。発掘調査では釘の数本や須恵器の破片などが見つかりましたが、これらは主に中世の墓に関連するものです。

現在の状況

現在、上山2号墳の石槨は京都府京都市の花園大学の構内に移築されて保存されています。これにより、古墳の研究が続けられ、古代の人々の埋葬習慣を学ぶための重要な資源となっています。

関連情報

上山2号墳は、平群谷にある数少ない横口式石槨を持つ古墳の一つとして注目されています。また、花園大学内にはその石槨が移築されており、訪れる人々に古墳の歴史を生き生きと伝えています。さらに、西宮古墳との関係もあり、この地域の古墳群の重要な一部とされています。

特に興味深いのは、上山2号墳が古墳時代終末期の7世紀中葉に築かれたと推定されている点です。この時期に関する研究は、古代日本の社会や文化を理解する上で重要な手がかりになることでしょう。

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