上常吉

上常吉（かみつねよし）

上常吉は、京都府京丹後市の地名であり、特に大宮町の一部として知られています。この地域は、常吉川の流域に位置し、周囲は四方を山々に囲まれています。古代から続く歴史と自然豊かな環境が特徴的です。

地理

上常吉は、かつて中郡大宮町の南西にあたります。南には与謝郡与謝野町野田川地区があり、西には京丹後市峰山町があります。特に西側には標高661メートルの磯砂山が屹立し、この山の山並みが集落を取り囲んでいます。常吉川は竹野川の支流で、村の生活水源として重要な役割を果たしています。また、南北には京都府道76号が通っており、地域の交通網にも寄与しています。

自然

磯砂山は近畿百名山として親しまれ、羽衣天女伝説も知られています。地域の教育機関である常吉小学校の校歌にも登場するなど、地域住民にとって大切な自然の一部です。さらに、磯砂山の中には女池もあり、「比治の真名井」として古い文献にも見られます。常吉川は地域の水源であり、川の周りには亜熱帯の植物が茂っています。

歴史

古代・中世

上常吉地区には後期古墳が存在し、歴史的な背景が伺えます。近藤山城守の居城として伝わる上常吉城跡も地域の重要な遺構です。地名の「恒吉」は、鎌倉時代にルーツを持ち、常に良いという吉祥の意味が示されています。

近世

もともと恒吉村の一部であった上常吉は、江戸時代初期に独立した村となりました。元禄時代には石高が知られ、天保の大飢饉も地域に影響を及ぼしました。街道沿いの集落として栄え、幕府や藩の管轄が変わりながらも、地域の経済は発展しました。

近代

明治時代に入ると、上常吉村は宮津県に属し、その後豊岡県、最終的には京都府に組織されました。町村制の施行により、1889年には上常吉村と下常吉村が合併して常吉村となりました。

現代

1951年には他の村とともに新設合併し、大宮町が成立しました。1982年には地元でも活気のある織物業が盛況を迎えました。2004年に大宮町が京丹後市に統合された後も、上常吉は大字として残り、地域住民は日々の生活をつづけています。

教育

上常吉には1873年から1980年まで大宮町立常吉小学校が存在しました。学校は地元の教育拠点としての役割を果たし、多くの子どもたちを育ててきましたが、1980年には大宮第二小学校に統合されて廃校となりました。

名所・旧跡

上常吉には経典寺、地蔵院などの寺院が存在し、地域の歴史を物語る場所でもあります。地蔵院には平地地蔵があり、信仰の対象として親しまれています。また、冨持神社や白滝不動堂なども文化的な名所として訪れる人々を迎えています。地蔵堂などの道祖神の堂もあり、毎年行われる地蔵盆での信仰が根付いています。

まとめ

上常吉は、その自然環境、歴史的背景、文化、教育など多くの要素で形成された、魅力的な地域です。今日の上常吉には小規模な商店や事業所も点在しており、地域経済の活性化にも貢献しています。

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