上松美香

上松 美香 (あげまつ みか)

上松美香は1982年7月2日生まれで、日本を代表するハープ奏者かつ作曲家です。長野県南安曇郡穂高町（現在の安曇野市）出身で、本名は藤間美香です。彼女の家族には音楽家が多く、実兄の上松範康は著名な作曲家であり、夫の藤間仁も編曲家として知られています。

音楽活動の始まりと成長

12歳の時に母、クリスティーナ上松の影響でアルパ（ハープ）に興味を持ち始め、音楽の道を歩むことになりました。1998年、わずか16歳でこの楽器の国際的な舞台に立ち、パラグアイでの「グアランバレフェスティバル」にて特別賞を受賞しました。これは日本人として初の快挙であり、彼女の音楽キャリアの大きな転機となりました。

その後も、1999年には「ラテンアメリカアルパフェスティバル」に出演。さらにコンサート活動を続けるも、2003年に一時的に活動を休止することとなります。この間、アイルランドやパラグアイをはじめ様々な国でアルパを広め、音楽の可能性を探求しました。2004年に活動を再開し、2005年にはキングレコードからユニバーサルミュージックに移籍し、自己制作のアルバムをリリースしました。

プライベートと音楽の交わり

音楽家としての活動と並行して、上松は私生活でも様々な出来事があります。2006年には、兄の範康が率いる作曲家集団「Elements Garden」のメンバーである藤間仁と結婚しました。2007年には親友の水樹奈々のライブに参加し、さらに同年の『第60回NHK紅白歌合戦』では「深愛」を共演するなど、その活動は多岐にわたります。

興味深いことに、上松家には譜面を読めないという特異な才能があり、兄の範康がその旨をTwitterで公開しました。この家族の音楽に対するアプローチは、譜面に頼らずその瞬間の感情を表現することに重きを置いており、「上松家でアルパを広めたい」という願望がこのスタイルに繋がっています。

家族生活と健康への挑戦

彼女は2014年に第1子の男の子を出産し、2016年には第2子を授かります。家族が増えたことは人生における新たな喜びとなり、彼女の音楽活動においても影響を与えることでしょう。

ただ、その後彼女は健康問題にも直面します。2016年にはフォーカルジストニアという診断を受け、手根管症候群に悩まされました。しかし、彼女は2019年1月に小指を利用した演奏を可能にし、これを契機に活動を再開。忍耐と工夫の結果として、再び舞台でのパフォーマンスを行っています。

ディスコグラフィと影響力

上松美香の音楽キャリアは目覚ましく、多数のアルバムをリリースしています。彼女の主なアルバムには『INOCENCIA』（2000年）、『POESIA』（2001年）、『Cruz del Sur』（2007年）、『アマネセール~夜明け~』（2013年）などがあり、シングルやDVDも販売されています。特にライブパフォーマンスでは、水樹奈々の多くのコンサートに参加し、彼女の音楽に色を添える存在となっています。

彼女の音楽は聴く人々に心の豊かさを与え、アルパという楽器の美しさを広める役割を果たしています。上松美香は、音楽と家庭、そして健康の課題をバランスよく取り入れながら、今後も音楽活動を続けていくことでしょう。

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