上林千恵子

上林千恵子（かみばやし ちえこ）

プロフィール

上林千恵子氏は、1949年生まれの日本の社会学者で、産業社会学を専門としています。法政大学の名誉教授であり、経営関連学会協議会の副理事長を務めるなど、学術界で重要な役割を果たしています。また、ケンブリッジ大学クレアホール客員教授としての国際的な活動経験もお持ちです。

学歴と職歴

東京都で生まれた上林氏は、1973年に一橋大学社会学部を卒業。南博ゼミナールで社会学の基礎を築きました。その後、東京大学大学院社会学研究科に進み、1976年に修士課程を修了。1979年には同大学院の博士課程を単位取得満期退学しています。

1979年から1991年まで東京都立労働研究所で非常勤研究員として勤務した後、1991年に江戸川大学社会学部の専任講師に就任。1994年には同大学の助教授に昇進しました。1996年からは法政大学社会学部の教授として教鞭をとり、2001年から2002年にはケンブリッジ大学クレアホールで客員教授を務めました。2020年に法政大学を退職し、現在は名誉教授の称号を得ています。

研究テーマと業績

上林氏の研究の中心テーマは産業社会学であり、特に外国人労働者の受け入れ問題、技能実習制度に関する研究に力を入れています。1989年から20年以上にわたる調査研究をまとめた著書『外国人労働者受け入れと日本社会』は、第30回冲永賞を受賞するなど、その学術的な貢献は高く評価されています。

その他にも、中小企業の育児支援や育児休業制度、外国人研修生・技能実習生の技能習得と生活適応に関する研究など、多岐にわたるテーマで研究を行っています。これらの研究成果は、数々の著書や論文として発表されています。

社会的活動

上林氏は、学術研究だけでなく、社会的な活動にも積極的に関与しています。内閣府男女共同参画推進連携会議議員、防衛省防衛人事審議会委員、厚生労働省労働政策審議会臨時委員など、政府の審議会委員を多数務めています。また、2013年には人事官候補として国会に提示されましたが、ねじれ国会の影響で不同意となりました。

その他にも、外国人技能実習機構評議員、衆議院法務委員会参考人、日本労務学会理事、富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン策定委員会委員、厚生労働省研修・技能実習制度研究会委員などを歴任しています。2021年には経営関連学会協議会の副理事長に就任しています。

主な著書

『外国人研修生・技能実習生の技能習得と生活適応に関する研究』法政大学 1995年
『中小企業の育児支援と育児休業制度』法政大学社会学部学会 2001年
『外国人労働者受入れ制度の定着過程』法政大学 2004年
『よくわかる産業社会学』（編著）ミネルヴァ書房 2012年
『外国人労働者受け入れと日本社会』東京大学出版会 2015年

外部リンク

法政大学上林研究室 - 法政大学公式サイト内の研究室紹介ページ

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