上横手雅敬

上横手 雅敬について

上横手 雅敬（うわよこて まさたか、1931年3月7日生まれ）は、日本の著名な歴史学者であり、特に日本中世の政治史と社会史を専門としています。和歌山県出身で、長い学問の道を経て、京都大学名誉教授となり、数々の貴重な業績を残しました。彼の研究は中世日本の政治構造や社会の動態に関する新たな視点を提供し、多くの歴史学者に影響を与えました。

業績と研究

若い頃から中世史において独自の洞察に満ちた見解を数多く示し、その後の歴史研究に大きな影響を与えています。特に、後鳥羽天皇が武士との関係において公武融和を目指し、密約を結んでいたことに関する論考は、その後の研究における重要な基盤となりました。彼の著作には以下の重要なものがあります。

• - 「北条泰時」（1958年）
• - 「承久の乱」（1962年）

これらの著作では、鎌倉幕府と公家政権の関係に関する深い分析がなされ、多くの研究者に影響を及ぼしました。特に『鎌倉幕府と公家政権』（1975年）では、鎌倉時代の政治史の全貌を描写し、それぞれの権力構造の変遷を明らかにしました。

彼の研究は、以下のような歴史的構造を示しています：

• - 鎌倉殿独裁（頼朝・頼家・政子）と院政（後白河・後鳥羽）との対立
• - 承久の乱を受けた政治情勢の変化
• - 執権政治と権臣政治の構造
• - 宮騒動とそこでの権力交代

このように複雑な中世の権力構造を描写したことで、彼の研究は日本中世史の理解を深めるものとなりました。さらに、彼の主張を裏付ける詳細な調査データと文献研究は、とても評価されています。

学歴と経歴

彼の学歴は、和歌山県立伊都中学校から始まり、その後京都大学に進学、卒業し大学院に進みました。1956年には、京都女子大学で専任講師に就任し、その後京都大学教養部に移籍しました。1973年に教授に昇進し、1994年に定年退官するまで、長い間教育と研究に尽力しました。その後も、龍谷大学や皇學館大学で教鞭を執り続けました。

受章と社会貢献

教育者としてだけでなく、史学界にも多くの貢献をしており、いくつかの歴史研究会の理事や評議員としても活動しました。1994年には和歌山県文化賞を受賞し、2010年には瑞宝中綬章を受章しました。さらに、様々な著作と編著を通じて、歴史学の発展に寄与しています。

まとめ

上横手雅敬は、戦後日本の歴史学において重要な役回りを果たしてきた学者であり、彼の研究は日本中世の政治史の理解を進める上で不可欠なものとなっています。彼の業績は、学問的な枠を超えて広く日本の歴史に対する理解を深め、多くの後進の歴史学者に影響を与え続けています。

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