上法快男

上法 快男（じょうほう よしお）

上法快男は1911年5月29日に秋田県で生まれ、日本の陸軍軍人及び実業家として活躍しました。彼は陸軍主計将校としてのキャリアを持ち、戦後は出版界に進出し、芙蓉書房の設立と発展に尽力しました。彼の人生は日本の歴史と出版業界においてその功績を色濃く残しています。

経歴

彼は士族の家に生まれ、上法眞廣の次男として育ちました。彼には、戦争で命を落とした陸軍少佐の兄や陸軍大尉の弟がいました。仙台一中、二高を経て、東北帝国大学法文学部の独法学科を卒業後、陸軍に進みます。彼は主計将校として、近衛歩兵第3連隊、歩兵第59連隊、第2師団、関東軍司令部、戦車第3師団、陸軍燃料本部などで勤務し、最終的に陸軍主計少佐に昇進しました。

戦争が終わると、1945年8月に陸軍省人事局へと異動し、そこで復員軍人の職業支援業務に携わることになりました。1946年には公職追放を経て出版業界に入り、軍隊時代の友人とともに尚文館を設立し、後に芙蓉書房を創業します。彼は社長として多くの軍事書や歴史書を出版し、自身も執筆を行いました。

出版における影響

1951年に設立した芙蓉書房は東京に拠点を置き、彼が主導した多くの書籍は、軍事や戦争に関する貴重な資料として評価されています。なかでも、「現代の防衛と戦略」や「陸軍大学校」などの著作は、当時の防衛問題や歴史的背景を知る上で重要な資料と見なされています。

彼はまた、戦後日本における歴史的な出来事や人物についても多くの書や監修を行い、その専門的な知識を活かしました。特に「東京裁判と東條英機」や「陸軍省軍務局史」などは、歴史を理解するための重要な文献とされています。これらの作品は、日本の軍事史や政治に関する重要な視点を提供しており、多くの研究者や読者に影響を与えています。

余生と業績

1993年には出版部門を分離し、芙蓉書房出版を設立。彼はその後も出版業界での影響力を維持しつつ、有限会社弥生出版研究所の代表取締役として活躍しました。2001年に彼は90歳でこの世を去りましたが、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与え続けています。

上法快男は、日本の歴史を学ぶうえで欠かせない偉大な人物であり、その功績は出版業界にとどまらず、広範な分野において影響を与えました。彼の著作は今もなお多くの人に読まれ、研究され続けており、その知識は次世代へと引き継がれています。

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