上溝

神奈川県相模原市中央区上溝：歴史と発展を辿る

上溝は、神奈川県相模原市中央区に位置する地域です。相模川左岸の台地上に広がり、古くからの商業地として発展を遂げてきました。この記事では、上溝の地理的特徴、歴史、交通、そして現在に至るまでの発展について詳述します。

地理

上溝は、相模原台地の「中段」と呼ばれる部分に位置しています。かつては「上段」まで広がっていましたが、1964年以降の住居表示の実施に伴い、現在の範囲となりました。地域内には、鳩川、姥川、道保川といった河川が流れ、豊かな自然環境の一部を形成しています。段丘崖（ハケ）と呼ばれる崖地は、雑木林に覆われ、独特の景観を創り出しています。

歴史

上溝の歴史は古く、幕末・明治時代から神奈川県北部の商業中心地として栄えました。1941年の相模原町発足後もその地位は揺るぎなく、市制施行後も相模原市の中心商業地域として発展を続けました。JR相模線の開通は、街の発展に大きく貢献し、駅周辺には新たな商店街が形成されました。しかし、1960年代以降は、台地上段の新市街地の開発に伴い、商業の中心地としての地位は相対的に低下していきました。

交通

上溝は、交通の要衝として重要な役割を果たしています。JR相模線の上溝駅と番田駅があり、神奈川中央交通のバス路線も充実しており、周辺地域とのアクセスが良好です。国道129号（上溝バイパス）は、八王子方面や厚木・平塚方面とを結ぶ主要道路であり、高速道路網へのアクセスも容易です。その他にも、いくつかの主要な県道が通っており、広範囲な地域と繋がっています。

施設

上溝には、中央区役所上溝まちづくりセンターをはじめ、消防署、警察署などの行政機関、上溝小学校、上溝南小学校、上溝南中学校などの教育機関、ダイエーやスーパー三和などの商業施設、JA全農ミートフーズ神奈川工場などの工場、そして寺院や神社など、様々な施設が立地しています。

近代化と発展

戦後、上溝では、住宅団地の建設が相次ぎ、人口増加を促しました。「軍都計画」の名残も残り、街路網や水道設備などのインフラ整備は、発展の基盤となりました。1970年代以降は、北半部の市街化が著しく進み、現在では、広い面積の農地が残されているのは南部の番田駅周辺のみに限定されています。養蚕が盛んに行われていた時代から、近郊農業地域へと移行し、現在では野菜の生産が盛んです。

まとめ

上溝は、歴史と自然が調和した、住みやすく、交通の便の良い地域です。古くからの商業地としての面影を残しつつ、近代的な都市機能も備えています。今後も、地域住民の生活の拠点として、発展を続けることが期待されます。

参考文献

『相模原市史 第四巻』 相模原市、1971年
相模原市市史編さん室 『相模原市史 現代図録編』 相模原市、2004年
* 『相模原市農協二十年史』 相模原市農業協同組合、1983年

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