上田信道

上田信道（1953年 - ）は、日本の著名な童謡研究者であり、現在は岡崎女子大学子ども教育学部教授として教鞭を執っています。彼の研究は、童謡という文化遺産を次世代に継承することに大きく貢献しています。

大阪市に生まれた上田氏は、大阪教育大学大学院で修士課程を修了後、大阪府立高校の教諭として教壇に立ちました。その後、大阪国際児童文学館で主任専門員を務め、2001年に退職。退職後は非常勤講師として活動し、2006年に岡崎女子短期大学教授、そして岡崎女子大学子ども教育学部教授に就任しました。

上田氏の研究活動は多岐にわたり、特に童謡の歴史的背景や文化的意義の解明に力を注いでいます。1999年には、季刊『児童文学資料研究』での活動が評価され、日本児童文学学会賞特別賞を受賞。この賞は、彼の長年にわたる児童文学研究への貢献を称えるものです。また、雨情会会員としても活動し、童謡文化の普及に努めています。

彼の著書は、童謡研究における重要な文献として広く読まれています。『謎とき名作童謡の誕生』や『名作童謡ふしぎ物語』などの著書を通じて、童謡の背後にある物語や作者の想いを紐解き、読者に新たな発見と感動を提供しています。これらの著書は、童謡を単なる子供向けの歌としてではなく、日本の文化や歴史を反映した貴重な芸術作品として捉える視点を提示しています。

また、共編著として『現代日本児童文学選 資料と研究』や巖谷小波『日本昔噺』の校訂など、児童文学研究における重要な業績も数多く残しています。さらに、『北原白秋100選 名作童謡』、『西條八十…100選 名作童謡』、『野口雨情100選 名作童謡』といった編著では、日本の代表的な童謡作家たちの作品を幅広く紹介し、童謡の魅力を再発見する機会を提供しています。文化庁が編纂した『親子で歌いつごう日本の歌百選 親から子、子から孫へ』では解説を担当し、童謡が世代を超えて歌い継がれることの重要性を説いています。

上田信道氏は、童謡研究を通じて日本の文化と教育に多大な貢献をしています。彼の研究は、童謡を未来に繋ぐための重要な架け橋となっています。

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