上田恵介

上田恵介：鳥類学を牽引する第一人者

上田恵介氏は、1950年大阪府枚方市生まれの生物学者です。行動生態学、動物行動学、そして進化生態学を専門とし、鳥類学者としても広く知られています。

輝かしい経歴: 上田氏は、立教大学で長年にわたり教鞭を執り、教授として後進の育成に尽力しました。2016年には名誉教授の称号を授与されています。学術界における貢献は大きく、日本動物行動学会会長、日本鳥学会会長を歴任した経験も持ちます。現在も公益財団法人日本野鳥の会会長として、鳥類保護活動の最前線で活躍されています。さらに、公益財団法人山階鳥類研究所特任研究員も務めており、その専門知識と経験を活かした幅広い活動を展開しています。

研究と教育への情熱: 大阪府立大学を卒業後、大阪市立大学大学院にて理学博士号を取得。その後、日本学術振興会奨励研究員を経て、立教大学に助教授として着任。助教授時代は、一般教育部自然科学科、理学部総合科学講座、理学部化学科と部署を異動しながら、着実にキャリアを積み重ねました。2001年には理学部化学科（後に生命理学科に改組）の教授に昇任。長年にわたる教育活動は、多くの学生に深い影響を与えたことは間違いありません。

受賞歴: 上田氏の研究業績は高く評価され、数々の賞を受賞しています。2016年には山階芳麿賞を受賞。さらに、2020年には日本動物行動学会日高賞を受賞するなど、その功績は広く認められています。

日本野鳥の会との深いかかわり: 上田氏と日本野鳥の会との関わりは深く、なんと小学生時代である1963年から会員となっています。当時、初代会長であった中西悟堂氏に手紙で入会を希望したところ、「小学生だから会費はいらない」と温かい返事を貰い、入会に至ったというエピソードは、氏の鳥類への情熱が幼少期から芽生えていたことを示唆しています。その後、日本野鳥の会副会長を経て、2019年には会長に就任しました。

多岐にわたる著作活動: 上田氏は、研究活動に加え、数多くの著書を出版しています。単著としては『一夫一妻の神話－鳥の結婚社会学－』、『鳥はなぜ集まる？－群れの生態行動学－』、『♂・♀のはなし－鳥－』など、鳥類の生態や行動を分かりやすく解説した書籍を執筆。また、共編著や監修なども多数手がけており、その内容は鳥類学のみならず、行動生態学、進化生態学など多岐に渡ります。これらの著書は、一般の人々にも鳥類の多様性や魅力を伝える役割を果たしています。

未来への展望: 上田恵介氏は、日本における鳥類学、行動生態学の第一人者として、今後も研究、教育、そして鳥類保護活動において、重要な役割を担っていくことでしょう。その活動は、多くの研究者や学生、そして一般の人々にインスピレーションを与え続け、日本の自然環境保護に大きく貢献していくと期待されます。

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