上田篤

上田 篤の教授と建築家としての足跡

上田篤（うえだ あつし、1930年8月12日生まれ）は、日本の建築学者、建築家、そして都市環境空間デザイナーとして知られており、特に都市計画や比較文明論において著名な専門家です。彼は京都大学で工学博士号を取得し、1971年にその学位を授与されました。上田氏は、長年にわたり京都大学助教授、大阪大学教授、そして京都精華大学教授として教育活動に尽力し、最終的には京都精華大学の名誉教授の地位に就きました。

学歴と職歴

上田の学歴を辿ると、大阪府立高津高等学校を1950年に卒業し、その後京都大学工学部に進学、1954年に卒業しました。1956年には同大学院工学研究科の建築学専攻において修士課程を修了し、同年から建設省で技官として住宅局に勤務しました。その後、彼は1965年より京都大学の建築学科の助教授に就任し、1978年4月には大阪大学工学部環境工学科の教授に就任しました。1987年には京都精華大学美術学部デザイン学科の教授となり、その後も都市計画や建築の分野で多くの業績を上げてきました。

代表的な作品と執筆活動

上田篤の主な建築作品には「橋の博物館」、「大阪万国博覧会お祭り広場」、「旭川市平和通買物公園」などがあり、これらの作品はその独自の視点が反映されています。彼の作品は建築工学の領域で高く評価されていますが、最近の彼は古典分野にも興味を広げ、執筆活動を精力的に行っています。特に、侍の蝦夷起源、日本神話の半島説、稲の伝来などに関して革新的な見解を示しています。

受賞歴と著作

上田の業績は数々の賞に表彰されています。1970年には日本建築学会特別賞、1974年には神奈川県建築賞、1984年には環境省環境優良賞など、さまざまな部門で評価を受けています。また、彼の著作も非常に多岐にわたり、「西郷隆盛 ラストサムライ」（2009年）、「鎮守の森」（2007年）や「日本人の心と建築の歴史」（2006年）などがあり、これらの書籍は日本の建築史や文化に対する深い洞察を提供しています。

プロフィールの背面

上田篤は多くの著作を通じて日本人の住まいや都市に関する考察を行い、日本文化の本質に迫っています。彼の岳父は著名な生物学者、今西錦司であり、また映画監督の大島渚とは京都大学時代からの交友関係にあるなど、彼のバックグラウンドには興味深い人脈が広がっています。

このように、上田篤は建築および都市計画の分野での先駆者として、また日本文化の研究者として多大な影響を与えてきた意義深い人物であり、教育者、著述家としても日本社会に貢献し続けています。

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