技官

技官（ぎかん）とは

技官は、日本における官職の一つで、国の行政機関で技術を担う役割を持つ職名です。一般的には国家公務員に特有の役職であり、地方自治体では「技術吏員」と呼ばれています。

概要

技官という名称は国家公務員の職業体系に依存しており、技術的な知識を有した者がこの職に就くことが求められます。例えば、土木や機械、建築などさまざまな技術系の分野において、関連する試験に合格した人々がこの職名を得るのです。具体的には、国家公務員採用総合職試験や一般職試験により選出された者や、特定の技術に関する業務に従事する職員が技官となります。

技官は技術を「掌る」とされるものの、実際には土木行政などの技術に関連する行政事務を行う職務が主です。そのため、適用される俸給表も一般的には行政職と同様になります。しかし、特に研究機関である政府の研究者や、医療職に従事する医師や歯科医師、看護職なども技官の範疇に含まれており、その職務には多様性があります。

官職名の冠称

技官の名称は、国家行政組織法に基づき、各省での命名において省名が先頭に付加されます。そのため、厚生労働省の技官は「厚生労働技官」と呼称されます。このようの命名方法は、内閣府や警察庁、検察庁、裁判所など多くの組織でも見られます。

戦前の技官

興味深いことに、戦前の日本の官吏制度においては「技官」という名称は存在しておらず、官吏は主に「技師」あるいは「技手」と称されていました。技官制度は戦後に整備され、技術に基づく官職としての位置を確立しました。

昇進と役割

技官が府省の事務次官に就任するケースは少なく、一般的には事務官が担当します。しかし、特に文部科学省では旧科学技術庁からの技術系キャリアも事務官として受け入れられ、事務次官に就任する機会があります。さらに、国土交通省では旧建設省からの土木系技官も同様に事務次官として登用されることが多いです。最近では、総務省においても技官が事務次官に選ばれるなど、時代と共に変化が見られます。

人事慣行の変化

それとは別に、技官が本省局長級以上に昇進することは通常稀です。しかし、過去数年の間に、農林水産省の水産庁で技官が長官に就任するなど、いくつかの場所で職務の変遷が見受けられます。

まとめ

このように技官は日本の行政機関において重要な役割を果たし、多様な職務を持つ官職となっています。技術的な知見をもとに行政に寄与する職員の存在は、国家の運営にとって欠かせないものとなっています。

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