上田良一

上田 良一（うえだ りょういち）

上田良一は、1949年5月23日生まれの日本の実業家です。彼は、三菱商事の代表取締役社長や、NHKの第22代会長として知られています。また、アジア太平洋放送連合の会長も務めたり、他にも多くの役職を歴任してきました。

経歴

上田氏は長崎県島原市で生まれ、ラ・サール中学校・高等学校を卒業後、一橋大学法学部に進学しました。大学を卒業すると、三菱商事に入社し、様々な部門で働きました。フランスに留学して経営学修士（MBA）の学位を取得し、その後は主にアメリカでの企業買収などを手掛けました。

1999年にはリスクマネジメント部長に就任し、その後も重要な役職を次々と経験していきます。2006年には執行役員北米統括としてアメリカの三菱商事での取締役社長に就任し、2008年には米州統括やCFOに就任しました。2010年に三菱商事の代表取締役副社長に就任し、会社の経営に深く関わっていきます。

2013年には三菱商事を退任し、NHK経営委員会の常勤委員に選任され、その後監査委員長にも就任しました。この時期、受信料に関する問題などが取り上げられることも多く、彼の決断力が求められる場面がありました。特に、NHK会長を務めた際には、受信料制度に関する改革を提案し、一定の条件に基づいて新たな受信料の負担を求める考えを示しました。

人物

上田氏は、落ち着いた性格であることでも知られています。彼の人生では、学びや体験から多くの価値観が形成されてきました。修道士を志した経験もあり、これが彼の「誠実」という言葉に対する価値観や人間関係に影響を与えています。

彼は家庭を持ち、妻や3人の子供と共に登山や旅行を楽しむなど、プライベートでも充実した生活を送りました。また、登山や探検が好きで、さまざまな場所を訪れることも楽しんできました。特に、NHK職員就任後は連続テレビ小説を全て観るようで、特に『あまちゃん』については「顔面にパンチを食らったような内容だった」と評するほどです。

NHK関連の事案

上田氏がNHK会長として在籍していた時期には、いくつかの問題が発生しました。2017年には、内部の問題が多く報告され、その際に役員報酬を自主返納するなどの処置が行われました。また、かんぽ生命の不正販売問題もあり、その際の調査が必要とされました。

いずれにせよ、彼の在任中は、NHKの経営方針や受信料制度に対する考え方の見直しが図られました。持ち帰ってきた経験を基に今後の進展が期待されます。今年2020年にはNHK会長を退任し、さらに東京藝術大学監事への就任が報じられ、今後の活動にも注目が集まっています。

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